感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
morinokazedayori
40
★★★★イギリス、ドイツ、フランス、ロシアの近代史。産業革命により重工業の発展や工業製品の大量生産がもたらされ、物質的に豊かになりつつある一方で、ブルジョワ階級と労働者階級の生活レベルの差は広がり、社会は安定しない。時代の流れの中で自分の立場や利益を守ろうとする人々と、自由を求める民衆の間で対立が起きる。誰にとっても暮らしやすい社会の姿を探求していくのは、難しいものだと感じた。2016/07/08
荒野の狼
4
50代の男性ですが、フランス革命後のヨーロッパ各国の歴史を学ぶ目的で購入。漫画は北欧神話などを題材とした作品が多い漫画家あずみ椋(りょう)。4章に分かれて英、独、仏、露の歴史を紹介するのだが、物語の面白さ、主人公の魅力、作画の完成度は学習漫画の域を超えており、ひとつひとつの章を作品と呼びたい出来栄え。本書を読後は、あずみ椋の他の作品も読みたくなる読者は多いのではないかと思われる。2018/04/29
ひとみ
4
工業の発達、鉄道の拡大の陰には子供や女性の労働力(一日14時間労働)など、発展の陰には犠牲があるんですね。2015/10/24
ビシャカナ
3
産業革命によって世界の工場となるイギリスの勃興。そのイギリスを手本に鉄道を普及させたことでプロイセンを中心に統一したドイツ、そのドイツと対立した政府を倒したのが産業革命によって生まれた労働者階級の自由主義、そしてパリ・コミューンの理想。その理想がロシアの近代化のために奔走したアレクサンドル2世を暗殺に向かわせたという、架空の人物と実際の人物や史実を織り交ぜながら、産業革命と自由主義の世界規模の隆盛をマンガに取りまとめている。2023/02/22
白義
3
歴史背景を解説するガクマンの本分をわりと全うしながらも、オリジナルの登場人物で結構ドラマティックなストーリーを描いているのが新鮮な感じ。執筆者は実は初耳なんだけど有名な人なんだろうか。産業革命により技術が発展し、鉄道によりドイツで国民国家が形成され、フランスのパリコミューンのあとにロシアのナロードニキとアレクサンドル二世の話、と繋がりも悪くない。七月革命と二月革命が背景的にあっさり済まされたのはやや残念2013/03/29
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