出版社内容情報
運命を切り開いた世界初の女性医師!
まだ女性が社会進出をしていなかった19世紀。常識をやぶり、男性の仕事だった医者という職業に就く決心をしたエリザベス。「なりたい自分になる」ために奮闘するその姿は多くの後輩を作り出していく。
内容説明
現代の日本では女性の医師の存在は当たり前になっています。しかし、いまから200年ほど前、医師は男性だけの仕事でした。女性は医師になることはもちろん、医学を学ぶことすらできなかったのです。そんななか、1849年、世界ではじめて女性の医師がアメリカで誕生します。彼女の名はエリザベス・ブラックウェル。女性が働くことすら困難だった時代、彼女はさまざまな差別や悲劇を乗りこえ、医師となり、病院をつくりました。さらに女性のための医学校をつくった彼女は、あとにつづく女性医師の希望の光となり、その道を照らしつづけたのです。
目次
自分にしかできないこと
医者への道
パリでの出会い
わたしの役目
エリザベスの病院
未来への種
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まめ@暫くイン率落ちます
41
世界初の女性医師。最近涙脆くなったかな。男女が平等に学べない中必死に人を助けたいと思う気持ちに涙した。日本では荻野吟子が有名だが彼女もまた並ならぬ差別に耐え医師になるのにはそうとう過酷だっただろう。(図書館)2018/12/28
たまきら
23
娘が食いつき、「うわあ、このヒトすっごいつっよい!」(最高の誉め言葉)と大喜び。世界初の女医とナイチンゲールの友情にも感動した模様。日本で最初の女性医師を描いた小説「花埋み」について娘に話したら、興味津々でした。パイオニアはいつの時代も矢面にさらされます。別にそうしなくてもいいけれど、もし娘さんがそういう人生を送っても、支えられる親になりたいなあ。2021/02/04
ぼんくら
16
久しぶりに読んだ伝記マンガ。とても面白かったです。ヨーロッパでもアメリカでも職業における女性差別はすごかったんですね。その差別の中で医学を学び女性医師となったエリザベス。彼女のすごいところは、医師となっただけでなく、病院経営、学校経営を行ったこと。それによって一人の女性医師として活躍しただけでなく、なくたくさんの後進に道を開いたことだと思います。かっこいいな~2013/08/17
シチミ
15
こんな人がいたんやなーと。世界で最初に医者になった女性の伝記。既存の女性観に、幼少期から違和感をもっていた人。「素敵な奥さまになりたい」的な当時の常識に対して真っ向から反対する感性を持つ人。「誰もやったことをないことをやりたい」と。そして唯一の理解者であったのが父。エレノア・ルーズベルトと重なる部分。そして早逝してしまう父。そこから医者という道を目指すことになるが、その差別的社会観がすごい。常識を覆すということはここまで困難な道なんだなと。ナイチンゲールと出会っているのが嬉しい。こんな出会いがあったんだな2021/02/07
えすてい
12
日本の医学部入試の女性差別問題、そして、世界中に広まった #MeToo 運動。この際どのメディアでもエリザベス・ブラックウェルの生涯と功績が取り上げられなかったのは何故だろうと思った。19世紀は21世紀以上に階級社会と男尊女卑が激しかった。しかし、エリザベス・ブラックウェルは自分が正しいと貫き通した。その信念を貫き通すには、19世紀も20世紀も21世紀もそれぞれでなかなか難しいのがまだまだ現状である。既得権益を持つ者から「出る杭は打たれる」。それを打破できる声を大きくするのは、今日でも相当な労力を要する。2019/04/09