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内容説明
蛇はその生命力、再生力が人々の畏敬の念をあつめ、信仰の対象となった。インドでは仏法を守り、豊穣を司る水の神に、中国では角を生やし翼を得て龍となり、皇帝の権力の象徴になった。龍や蛇、またヨーロッパのドラゴンに託された意味を探る。
目次
中国(長大な川を持つ民族は、水を支配する架空の霊獣を創造した;最高位の龍、そして蛟、虹、蜃、応など、竜の一族は中国の階級社会を反映した)
朝鮮半島―高句麗、百済、新羅の「三国時代」から李朝まで、竜の伝統はつづく
香港―海の安全を願う竜船競漕は華やかに行なわれ、風水思想の竜が高層ビル街を支配する
ラオス・タイ―山暮らしのラオ族らはそれでも水辺を求め、古くから「ナーガの民」と呼ばれた
カンボジア(ジャワ・ボロブドゥールの造形思想から発展し、アンコールはナーガの姿に満ちている;アンコール・ワットは密林に隠され、タ・プロームは繁茂する樹木におしつぶされかけていた)
インド(インド亜大陸の先住民たちのナーガ信仰は、南インドから東南アジアに広まった;ヴァースキ竜は神々の世界創造に貢献し、ヴリトラ竜はインドラ神に挑戦した)
ネパール―小さな生神クマリは、蛇の首飾りをつけ、シヴァの眼を持つ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
288
写真家の大村次郷の「アジアをゆく」シリーズの1冊。文は那谷敏郎。アジア各地の龍と蛇の意匠を巡る旅。まずは中国から。龍は川の象徴であり(ヤマタノオロチなどもそうだ)、王権のシンボルである。故宮をはじめ、いたるところに龍が象られ、描かれている。景徳鎮の龍などは実に鮮やか。歴史的に中国文化の影響を強く受けた朝鮮半島、ラオス、タイ、ベトナムなどもすべからく龍の文化圏である。一方、カンボジア、インド、ネパールなども、これとある意味では同根の蛇(ナーガ)文化圏。クマリの蛇の首飾りなどは怖くもあり、神秘的でもある。2024/01/30
にがつ
3
いろんな国の、蛇、龍に関する宗教や伝説、神話などを紹介した本。写真が多い。個人的には楽しく読めた。ラオスとネパールの項目が特に。2017/01/13
Doughnut
0
竜、龍、水、虹、幻、ナーガ2016/09/19