内容説明
絹、香料、陶磁器、馬…。ジャンクやダウ船が風に乗り、港から港へと人類の夢を運んだ。十数世紀に亘る海上交易の壮大なドラマを探る、豊穣アジアの旅。
目次
中国―マルコ・ポーロは、泉州に入港するジャンクの数に驚嘆の声を上げた
ベトナム―海雲関の南に、今は離散したかつての海岸民族チャム人の王国があった
マラッカ海峡―中世の港市ネットワークが、マレー半島とスマトラを魅惑の世界にした
ジャワ島―インド文化を素材にジャワ人は、驚くべき華麗な造形世界を築き上げた
スリランカ―獅子国の高峰に残る足跡は、仏陀のものか、シヴァのものか、アダムのものか
インド東海岸―ヒンドゥー文化は南インドで育まれ、仏教とともに東南アジアへと伝わった
インド西海岸―たわわに実る大粒の胡椒を求めて、東西の船がその港に入りつづけた
ペルシア湾・アラビア半島―アラビア産の馬と乳香が、ダウ船によって遠くインド洋を運ばれていった
紅海・地中海―トプカプ宮殿は、海のシルクロードを運ばれた元染付の逸品を所蔵する