内容説明
格調高い文章で人生の無常を鋭く書きつづった鴨長明の方丈記と、生活や礼儀作法、娯楽などをテーマに名文で書きあげた吉田兼好の徒然草。2大エッセイの鑑賞を通して、社会不安にみちた鎌倉時代の世相を浮き彫りにする。
目次
隠者文学とその周辺
『方丈記』―作品紹介
長明の風景と文学―『方丈記』をめぐって
安元の大火
『方丈記』の世の不思議
運慶と鎌倉彫刻
鎌倉美術とリアリズム
2つの軌跡―長明と兼好
『徒然草』―作品紹介
南北朝時代の歌人―『宝積経要品』紙背和歌短冊
はるかなる王朝―兼好と「古き世」
二条河原落書―『徒然草』の背景
海北友雪筆『徒然草絵巻』
祖師伝絵巻の流布
地獄の諸相―『往生要集』
新仏教の始祖たち
貴族仏教からの脱皮



