出版社内容情報
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。第2回配本、第5巻「極限の彼方」は、人が経験できるさまざまな「極限」の形を描いた物語12編。
内容説明
人が人でなくなる処。その境に立てば、真実の瞬間が訪れる。八甲田山死の彷徨、大いなる逃亡、ほか。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
69
この第3回配本分は、結構読みでがありました。新田次郎「八甲田山死の彷徨」、小松左京「ゴルディアスの結び目」、村山槐多「悪魔の舌」は既読ですが、再読に堪えるものですし、初めての田中光二「大いなる逃亡」は外国小説の翻訳版のような感じがしたり、手塚治「妖蕈譚」はコミックではなくこのような小説も書いていたのかということで興味深い感じでした。そのほかショートショートも星、五木さんなど多士済々です。2015/07/28
starbro
32
集英社の創業90周年企画 傑作小説大全「冒険の森へ」全20巻完読プロジェクト第三弾は第5巻「極限の彼方」です。本巻は夢枕獏の思い入れ満載です。どれも面白いですが、短編では白石一郎の「元禄武士道」、長編では田中光二の「大いなる逃亡」がオススメです。それにしても手塚治虫が小説を書いているとは知りませんでした。 2015/08/03
ぐうぐう
17
『冒険の森へ』第5巻は、「極限の彼方」と題されたアンソロジー。極限を超えた先にある世界を描いた小説がズラリ。何はともあれ、長編二編が圧倒的。田中光二『大いなる逃亡』は、読み始めると止まらなくなるアクション小説。現在の小説に一番足りないのは、この貪欲なエンタメ精神ではなかろうか。いやはや、おもしろすぎる! 一転、新田次郎『八甲田山死の彷徨』は、実話を元にした壮絶な山岳小説。寒さと絶望により精神に異常を来たす兵卒達の描写が凄まじい。(つづく)2015/07/26
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
7
2015年 7月 9日 初版2017/01/06
ざび
6
冒険の森。今回は「極限の彼方」。かなりきつい話が多い。長編は名作田中光二「大いなる逃亡」と新田次郎「八甲田山死の彷徨」。全く今でも色褪せない。しかし、私がはまったのは小松左京「ゴルディアスの結目」。子供の時にも読んだはずだけれど、多分理解はできなかったはず。今でこそこの作品の筆力、発想全てが理解できました。いやはやこんなに凄い作品がこの時代に書かれていたなんて。8月配本は東野と船戸なので購入はしませんけど。2015/08/16