集英社ギャラリー「世界の文学」 〈3〉 イギリス 2 永川玲二

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  • サイズ A5判/ページ数 1339/高さ 23X17cm
  • 商品コード 9784081290031
  • NDC分類 908
  • Cコード C0397

内容説明

ときに美しくときに凄絶にイギリスの田園に愛をつらぬく女たち。愛をもとめ飛翔する女たち19世紀英文学の華。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

65
【誕生日に、ディケンズ】『バーナビ・ラッジ』のみ。1780年に実際に起こったプロテスタントの暴動事件を舞台に、エマとエドワード、ドリーとメイポール亭の息子ジョーとの二つの恋愛を絡めたミステリ風の話。エドガー・アラン・ポーは最初から過去の殺人事件の犯人が分かったと語ったということだが、これはミステリではなく、ディケンズお得意の群像劇として読むべきだと思う。謹厳実直なヘアデイルとすべてが金だと考えているサー・ジョン・チェスターという二つのタイプの貴族が描かれているが、サー・ジョンのような貴族は多かったのだろう2019/02/07

kasim

30
『バーナビー・ラッジ』のみ。ディケンズ作品の中ではあまり読まれていない方だと思うが、面白かった! ディケンズの感想はほんと語彙貧困になる…。漫然とした成長小説型ではなく、中心に過去の未解決殺人事件を据えた構成に緊張感がある。スペクタクルな18世紀の反カトリック暴動が現在部の主眼で、同じ歴史ものの『二都物語』を彷彿とする。どの作品にも出てくる、ディケンズの火の描写のあの禍々しさって、何なんだろう。父と子という裏テーマも興味深い。2018/11/12

em

20
『バーナビー・ラッジ』白痴である主人公バーナビーの描かれ方、運命に聖痴愚的なものを感じてしまう。舞台背景は1780年の反カトリック暴動。およそ10年後にはフランス革命が控えている啓蒙主義の時代。大衆を煽動するための「謎めかし」というやり口について、今に繋がるディケンズの見方が垣間見られるのが面白い。「天地創造の時以来、好奇心こそ最強力の感情であるから、それをかき立て、少しずつ満足させ、そして常に中途半端な状態に留めておけば、無知な人間の心をどんな悪事にでも確実に引きつけることができる」2019/01/20

ゆーかり

16
ディケンズ『バーナビー・ラッジ』のみ(ブロンテとハーディ―は既読)。ディケンズ5作目の長編小説。連載の発刊に追われ行き当たりばったりで書いたのではなく構想を練って描かれたもの。最初に殺人事件の話は出てくるが、どちらかと言うとゴードン暴動(1780年に起きた宗教がらみの騒乱)がメイン。歴史物としては『二都物語』の方がドラマチック。黎明期のため推理小説として読めば物足りないが、無垢なバーナビーも巻き込まれる騒乱や運命など、やはりテレビの無い時代にディケンズの小説は人々を引きつけて止まないものなのだったと思う。2016/04/09

風に吹かれて

15
『嵐が丘』、こんなゴシックな作品とは思っていなかった。アーンショー家の主人にリヴァプールの街角で拾われてきたヒースクリフ。拾われる前、最底辺の生活だったのだろう。それがキャサリンへの、さらにキャサリンの娘をも巻き込んでの復讐劇へ。『バーナビー・ラッジ』と、知的障害があるけど純真な登場人物をタイトルにしているが1870年のゴードン卿のプロテスタント運動をきっかけに発生した暴動を軸に様々な人々の喜怒哀楽を描出。若干散漫な印象の作品だが、イギリスの歴史の一断面を活写していると思う。⇒2021/07/24

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