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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
56
初めてのブラジルの作家、ルスペクトール。写真を見ると狂気を孕んだ美しいかた。文章は優しいけれどとても難解で今の私には完全に理解出来たとは到底断言出来る程の力が無い。一人称小説の極み。刻々と変化する感情と理性をこれほどまでに正直に吐露した作品を未だ知りません。理解しきれない自分に歯痒さを感じます。息苦しく眩暈を起こさせる様なこの表現力!又チャレンジします。紹介してくださったのは読友K氏!ありがとう!2017/09/04
たまぞう
0
●「G・Hの受難」: わたし(高級マンションに住む上流階級で洗練された女性であるG.H)とゴキブリを止揚して中性的なもの=至高=神へと超越するグロテスクな弁証法、といった感じのかなりぶっ飛んだ形而上小説。 ●「家族の絆」: 表題作を含む13篇からなる短篇集。いずれも平凡な日常を送る女性たちの胸中でふと何かがひび割れ、吐き気や錯乱に見舞われるも、結局あらたな生や希望を見いだすことなくもとの日常に囚われる。「ああ、しくじった人生への軽蔑。一体どうして!?」 ●総じて『星の時』に増して不穏、薄幸、思弁的だった。2022/09/22