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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
32
星占いにより「不死の命、明確な終わりをもたない人生」を予言されたボマルツォ公ピエル・フランチェスコ・オルシーニの回想録。名門オルシーニ家に生まれた誇りと祖父や父に疎まれる傴僂に生まれたことへの引け目。そんな彼のボマルツォの「聖なる怪獣の森」に至るまでの人生は、均整のとれた美への欲求、陰謀と暗殺と戦争、様々な出会いと愛した者たちとの別れに満ちています。それを幻想的に彩る悪魔の出現や錬金術、不死の秘密。物語は、失うことが生きることという彼の失った者や物に満ちていて、その悲しい美しさ、孤独に打たれました。2016/11/16
rinakko
10
凄い。素晴らしい読み応え。ボマルツォ公の回想…その膨大な思惟に絡め捕られ、宿命の冷酷に胸が痛み、唯一無二の聖なる森に驚嘆した。名門オルシーニ家の次男として生まれたフランチェスコは、背中に醜い瘤を持っていた。その異形を不敬罪とみなされ、祖母の庇護の下に成長するが、父や兄に虐げられる日々は突然終わる。怪獣聖林の発想に至る道程は、麻の如く乱れる歴史に揉まれた人生だった。何故殺すのか…と苦悩する彼は、その心のあり様も異端で、故に孤独であり続ける。そんな己を見据えつつ、真実を突き詰めていく筆致に最後まで圧倒された。2013/06/12
saeta
9
久々に濃くのある長編を読みたいと図書館の本棚を物色していた時に出会い、早速借りて来て読んでみました。回想録形式なので、会話文も少なく、ほぼびっしり文字で埋め尽くされた、上下2段約600頁構成。とにかく文字が多く、1日20頁程度しか読み進められず、約1か月半掛かって読み終えたが、驚愕の作品だった。現代の作家が過去の偉人に乗り移って70%は勝手な想像だとか(作家談)で書き起こした荒唐無稽な小説だが、この辺りは流石に南米作家の面目躍如だろうか。面白いのに、ここを見る限り読み終えた方が6人しかいないのは残念だ。2021/09/17
littlelielittle
4
思い出せるかぎりで最高の小説。2008/12/25
迦陵頻之急
0
ボマルツォの怪物公園で知られる、16世紀のボマルツォ公ピエル・オルシーニが、20世紀の時点から自らの人生を回顧する。生誕時から不死の予言を受け、60歳の時に不死の薬を飲むも毒を入れられ死亡、4世紀を経て本作の著者に記憶と意識が転生したという趣向。回想の端々にその後の歴史への言及や、現代の視点からの叙述が盛り込まれる。ベンヴェヌート・チェリーニ、ヴアザーリ、セルバンテスといった面々も登場する歴史絵巻だが、主人公は身体の障害により常に複雑な心情を抱え、叙述は饒舌にして屈折を極め、中々平坦には読み進めぬ一作。2025/04/21
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