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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三柴ゆよし
21
短篇集『時との戦い』を読了。捩れ、戻り、飛躍する時間をテーマにした四つの作品が収録されているが、やはり有名な「聖ヤコブの道」と「種への旅」が白眉である。前者は太鼓手のフアンなる人物を巡る円環する時間の物語であり、カルペンティエールの小説家しての技巧が最も遺憾なく発揮された短篇だろう。後者はとある老侯爵の生涯が、ニグロの老人の杖の一振りで、一夜のうちに遡行していくというこれまた実に技巧的な作品。聖俗すべてを併吞するがごときバロック文体は素晴らしいの一言だが、発熱時に読むと余計熱が上がるので要注意(経験済)。2012/12/09
迦陵頻之急
0
「失われた足跡」は文庫で既読。短編集「時との戦い」目当てで読む。時間をテーマとした作品群で、先ず、結末が冒頭に繋がる円環構造の作。続いて、死後から誕生に向け一人の人間の人生が遡行する作。さらに、古代、近世、近代の出征前夜の男の姿が連環して描かれる作。そして世界中の洪水伝説が一堂に会する作。逆行する人生を描いた短編をJ.G.バラードも書いており、多分本作からアイデアを頂いてる。バラードはコルタサルの「続いている公園」そっくりの短編も書いていて、60年代のバラードはラテンアメリカ文学に影響されていた可能性大。2025/04/05
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