出版社内容情報
【注意】※これは、フィクションではありません。 存在しないはずの302号室の鍵、浴室の点検口から出入りする謎の男、突然喋り出す遺品の人形、毎夜ガラス越しに現れる黒い影、前触れもなく失踪した不動産の営業マン、火災を逃れ残った不思議な絵、深夜に背後から覗き込む気配――――部屋を探すときは、「告知事項」にご注意ください。 事故物件で起きた出来事をはじめ、著者自身が実際に体験した不思議なエピソードを書籍化。本当に怖いのは、事故物件なのか? それとも…… 不動産管理会社の営業マンとして約7,000室の物件を内見し、日本で初めて“オバケ調査”を行う株式会社カチモードを起業した著者による実録集。 事故物件【じこ-ぶっけん】売買や賃貸の対象となる不動産物件のうち、その建物の部屋または共用部分などで、主に自殺や殺人などの死亡事故が発生した経歴のあるもの。心理的瑕疵[かし]のある物件。
内容説明
その部屋に「告知事項」はありませんか?その部屋の前の住人を知っていますか?今、あなたが住んでいる家は本当に大丈夫ですか?
目次
御札の部屋
御札の部屋の臭い
本当にヤバいモノ
浴室の点検口
気遣い人形
仏壇の花
新築物件の退去理由
新築物件のその後
事故物件にハマった営業マンの末路
木刀事件
見捨てられた地下室
最後の絵画
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
27
いわくつきの不動産についての実体験的な短いルポが続く。こういうお宅を訪問するような仕事の経験のある人には、背筋が寒くなるエピソードがある。匂いとか、そういう危機察知能力を磨くことは、有益である。2025/07/11
レア
22
事故物件というと漠然と嫌悪感を抱いてしまうけど、「物件で死亡事故が起きた際に、所有者や管理会社を支援するため、事故物件の“オバケ調査”をおこなう会社」として㈱カチモードを起業した作者の体験を通して“心の距離”が少し近づいた感じ。事故物件で亡くなった人も、誰かにとっての大切な人。オバケ調査とは、機械を使ったただの数値調査ではなく、亡くなってしまった誰かの大切な人のことを知ってもらう、そのための調査でもある。そう真摯に向き合う作者だから護られている面もあると思う。管理会社佐藤さんと同意見です。2025/04/24
佐倉
21
著者が賃貸の管理会社に勤めていた経験を活かして立ち上げたカチモードは映像・音声・室温など科学的な調査によって事故物件を調査し物件の”価値を戻す“ことを目的とした会社。基本的には何も起きないことを確認し証明するための調査なのだが、それでも説明のつかない事例も多くあり…そうした事例をまとめた一冊。文章からは著者のプロフェッショナルな雰囲気が滲み出ていてリアリティがある。『浴室の点検口』『仏壇の花』『人影が見ている』のような調査の過程で聞いたどこかの部分が依頼者の逆鱗に触れて取引が打ち切りになるケースが不気味。2025/03/09
混沌工房
20
事故物件がマップに載ったり、事故物件に住むことをネタにする人が出たり、それが映画になったり…でとうとう、事故物件で起きる現象を調べる会社が出てきた。この作品はフィクションではありません、て一文に本気を感じる。事故物件に泊まりこみ、映像や温度や音声等を調査する。小野不由美のゴーストハントシリーズを彷彿とさせる。ただ興味本位で調べているのではなく、さがってしまった不動産の価値を戻すことに目的があるとのこと。続きがあったら読みたい。2025/06/19
XX
18
リアル渋谷サイキックリサーチ(©小野不由美)みたいな株式会社カチモード。怪談未満からヒトコワ、実話怪談みたいな話まで色々。事故物件の調査を依頼しておきながら思いがけない原因が炙り出されてしまうと、調査結果を受け取らずなかったことにする物件所有者が複数いるというのが怖かった(これが後に竹書房の実話怪談に…)。あと忌地って本当にあるんだな、と。2025/03/02