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内容説明
ニュービストでの騒動を終わらせたシュリたちガングレイブ傭兵団は、来たる冬へ向け、別の町で春まで過ごすことにした。到着した町で休息を取る傭兵団の元に、地元領主が訪れて戦の依頼をする。ガングレイブは気乗りしなかったものの、戦の規模と報奨金の額を提示され、冬越えに支障はないと依頼を受けた。しかし、これが後に大きな後悔となる。条件になかった領主の息子の指揮、提案の無視、罵倒、デタラメな戦略で戦況は悪化し、ついには敵の得意な山中へおびき寄せられる。相手の絶え間ない奇襲と強襲。しかも領主の息子が勝手に戦線を離脱。ガングレイブ傭兵団は戦場に取り残されてしまうのだった。
著者等紹介
川井昴[カワイコウ]
『傭兵団の料理番』にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズ
37
とある地方領主に雇われた傭兵団だが、指揮官の領主の息子の無能な軍略で戦線は瓦解し、山中に籠城を余儀なくされる。四方を敵軍である山の民と海の民の連合軍に包囲され、「お前だけでも生きろ」と逃がされたシュリだが、傭兵団を救うため二つの部族と交渉するべく密かに動き出すが…。悪徳商人の国ワロンによる経済支配に苦しむ両部族の実情を知り、料理人としての視点を武器に各部族に光明を与える料理を提供するシュリの奮闘が良かった。今まで無価値と思っていた食材が実は桁外れの利益を生む宝の山だったという展開は結構好きなので面白かった2018/08/26
こも 零細企業営業
23
バカボンのせいで傭兵団はかつてないくらいの危機的状況。それを覆すために料理人が奔走する。2020/01/15
瀧ながれ
17
最後まで読んでカバー画を見直すと、あったかくておいしくてみんな一緒でよかったねー、としみじみ思う(リルさん、その卵の食べ方は危険)。腹を決めたシュリが頼もしくて、ただの料理人にしておくのが惜しい気持ちになっちゃいました。でも今回の働きは本来の立ち位置とは違うものだし、いちばん感動したのは冒頭の隊のみんなにサンドイッチを食べさせた場面だし、シュリが料理人として存分に腕をふるえる状況が、もっとも彼らしいのでしょう。ガングレイブのシュリへの指示に無理がある気がします。あれじゃシュリは逃げないなぁ(苦笑)。2017/11/02
サケ太
11
ピンチのガングレイヴ傭兵団を救うため、敵対していた二つの部族への交渉に挑むシュリ。料理の知識を生かしてな交渉。お好み焼きめちゃくちゃうまそう。腹が減る。2017/11/02
真白優樹
8
冬へ向けて街で年越しを待つ中、不用意に引き受けた依頼が危機を招き、シュリに交渉が託される今巻。―――料理が導く、人の絆と勝利への道。大切な仲間達の為限界を越えて奔走するシュリ。そんな彼の作る料理が二つの民を結び付け、傭兵団を救う希望の光となる。これまで仲間の殻を破ってきたシュリが自らの殻を破り、英雄としての道を確かに歩き出す今巻。それはシュリの成長を実感する巻であり、シュリが真の意味で傭兵団の家族となる人の思いの温かさが冬の寒さに温もりを灯す巻である。さて、来たる冬に待つものは。 次巻も須らく期待である。2017/11/01