出版社内容情報
木地雅映子、サイト連載で話題となった「夢界拾遺物語」、書き下ろしを加えてついに文庫化初登場！ 寓話的・木地童話短編集。
木地雅映子［キジカエコ］
著・文・その他
内容説明
どこか不思議で、すこし謎めいていて、いつか読んだような心に温かみを覚える短編集。美しい毛並みの毛虫に心奪われてしまった少女の選択は？素敵な声のかえると行く砂漠の旅の果ては？森の中に棲む大女の家の暖炉の裏から聞こえる声は…？いけにえを捧げる村の風習に抗おうとした一家の行く末は…？物語が、物語を越えて再帰する、新たな「物語」を紡いだ一冊。
著者等紹介
木地雅映子［キジカエコ］
１９９３年『氷の海のガレオン』でデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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mocha
92
昔話の定石に則って綴られる小さなお話13篇。最後の『ほんとうの王女さまとまちあわせ場所のはなし』に出てくる「それからふたりはずっと、幸せにくらしましたとさ」のところをやってる王と后の会話がほほえましい。でも現代のお伽話では、何不自由なくお城で過ごすのが幸せとも限らない、というわけで王女さまの望むことは…？あえて教訓めいたことを避けて、イマジネーション豊かな世界を楽しむお話集だと思った。あとがきに著作権を放棄したとある。あっぱれな書きっぷり、好きだなあ。2016/02/08
はつばあば
63
むかしむかし小学生だった頃に読んだ童話のお姫様になりたかったが、器量よしではないし掃除も洗濯も母親任せ・・そりゃお姫様にはなれませんわ。と諦め60年と言う時代を経て今また夢界拾遺に出会う。レビューを書いている今、TVではボコハラムにさらわれた娘達の映像が・・戦闘員の嫁になるのは自分の意思と。哀れな・・。童話を読める、本を読める私達の子供にイジメなど詰まらない事に戦々恐々とせず、平和の有難みを当たり前とせず、魔法のように一瞬に消え失せるものだと知って欲しい。あぁ・・またレビューにならなかった2017/05/28
ひめありす＠灯れ松明の火
45
すこし不思議文庫のメンバー入りに相応しい、すこし……すごく？不思議な十三の物語。お伽話なのかな、と思いながら読んでいたら、木地さんらしい残酷な落とし所がある物もありました。逆にこれは悲劇で終わるだろうと言う話が柔らかく着地したりして、油断できませんでした。私が好きなのは何にも出来ない女の子のおはなし。青年が選択されている最中に溺れて死んじゃったらどうしよう～？？と思っていたけれど、そんな残酷な落ちにはならなくて良かったです。おまけは物語が本になるまで物語。やっぱりお足を貰う為には、色々思う所があるんですね2015/04/30
波多野七月
19
鬼才、とはこういう作家の事を言うのだろう。帯に書かれた、坂木司の「嫉妬するほど、面白い。」の一言がすべてにつきる。いつかどこかで見たような、けれど見知らぬ奇妙なお話たち。童話のような、お伽噺のような。あやしくて不思議で、どこか恐ろしい。まるで、夢の世界に足を踏み入れてしまったような、眩暈にただおそわれる。間違っても、「ベストセラー好き」な読者にだけは勧めない。木地雅映子が紡ぐ、十三篇のひそやかな物語。2015/03/30
辛口カレーうどん
14
遠い昔読んだ、おとぎ話…ではない。 しかしこの毒々しさ好きだ2015/04/04
