出版社内容情報
そらいろ男爵は、爆弾のかわりにさまざまな『本』を投下して、兵士たちを夢中にさせます。そして戦争終結のためにとった戦術は?
ジル・ボム[ジルボム]
著・文・その他
内容説明
そらいろの飛行機でだれにもじゃまされずに鳥をながめていたそらいろ男爵。けれども、地上で、戦争がはじまって―第一次世界大戦開戦から100年目にあたる2014年にフランスで刊行され、すぐれた児童書に贈られる「サン=テグジュペリ賞」(絵本部門)(2014)を受賞。
著者等紹介
ボム,ジル[ボム,ジル]
フランスの新進気鋭の絵本作家。小学校で教えながら、子どものための物語を書く。2013年、『J’ai adopt´e un crocodile』(絵ティエリー・デデュー)でデビュー
デデュー,ティエリー[デデュー,ティエリー]
フランスのベテラン絵本作家。文と絵、両方をこなす。2010年、ソルシエール特別賞受賞
中島さおり[ナカジマサオリ]
翻訳家・エッセイスト。『パリの女は産んでいる』(ポプラ社)で、第54回日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
167
人と人の争いが止まない現状と、物語や読書の無限の可能性を結びつける、素晴らしい絵本。描かれている絵がポップ、これから戦いに向かうしかないそらいろ男爵の動きがコミカル、戦争がテーマなのに楽しく読み進められる。お手製の飛行機で飛び立つ男爵は、爆弾なんて持っていない。家の中にあるのははるか天井へと続く本棚、片手では持てないほどの分厚い本がぎっしり並んでいるだけ。何を武器に戦えばいいのか。平和への扉をどう開ければいいのか。どんな潤いを与えられたら世界の歩みを変えられるのか。物語が途中で終わる悲しみは計り知れない。2026/05/19
seacalf
116
飛行機乗りの男爵が砲弾の代わりに大事な蔵書を浴びせて戦争に参加するお話。重くて分厚い百科事典から始まり、ロシアのあの有名な読み耽りたくなる長編小説から兵士達が夢中になる不思議な冒険談、料理の本、思想の本、歴史物語、天文学、詩集、色々な本を雨のように矢のように光のように降り注ぐ。一見、荒唐無稽だけど戦争を止める為の真理はたっぷりあるかも。難しいことを考えなくてもコミカルで軽やかさがあり、絵本に求めるワクワク感を満たしてくれる。2021/09/01
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
114
2014年【サン=テグジュベリ賞】受賞作。青い飛行機でバードウォッチングするのが趣味の男爵は、戦争に駆り出されることになりました。銃の代わりに使ったのは本。12巻の百科事典を空から落として敵の侵攻を食い止めました。本棚からせっせと本を運び、料理の本を雨のように、思想の本を矢のように、歴史の本を光のように降らせます。やがて分厚い本はなくなってしまいました。そこで男爵、閃きます。敵の頭に落とすより、本にはもっと素敵な使い方があるじゃないか♪ 《敵》にも家で待つ大切な人がいる。カラフルで優しい絵に癒されます。2015/10/25
mocha
99
そらいろの飛行機で空の散歩を楽しむ「そらいろ男爵」。戦争に行かなければいけなくなった男爵は、砲弾の代わりに本を投下する。いよいよ本が尽きて空から降らせたものは…。武器ではなく正しい物の見方を与えることが、戦争を終わらせる近道。平和の本は暗いものが多いけれど、こういうポップな絵と愉快なストーリーは、子どもの心に抵抗なく入っていくと思う。2016/11/18
k sato
92
爆弾ではなく分厚い本を投下していれば・・・人間はなぜ戦争をするのか。主人公・男爵は飛行機から戦場へ「本」を投下し続け終戦に導いた。敵味方は戦争を忘れて読書に没頭。この絵本は殺傷以外に争いを解決する方法があることを諭している。ゴリラ研究で著名な山際壽一氏によれば人間は言語を獲得し農耕牧畜を発展させたことにより戦争が始まったと推定している。言葉の操作・威力の暴走が戦争を招くのだ。では言語獲得前はどうだったのか。歌や踊りなど身体的共感により意思疎通していた。男爵の智慧も人の脳へ作用する身体的共感ではないだろうか2024/03/13




