感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
1
「天皇」にまつわる表の歴史では触れられない諸々の話題を集めた、「裏天皇論」みたいなムック。戦後の人間宣言の余波と思われる、自称”天皇”の様々な肖像。ある者は詐欺、又ある者は「我こそは正統」と訴える。中でも南朝正統を名乗った「熊沢天皇」は、本人の思いが周囲の思惑に翻弄されて不本意な人生になったのではないかと感じられる。熊沢天皇の親族を訪ねると「ほっといてくれ!」と門前払いにされるのも、その辺の余波か。そして、近代皇室の女官(側室含む)達の暗闘、そして戊辰戦争における「東武皇帝」等微妙な話題が多くて興味深い2022/05/11