出版社内容情報
新聞、テレビで話題の「83歳の女子高生球児」が学ぶこと、生きること、仲間のすばらしさを語る。不登校、不良の若者、その親たちへ
内容説明
“現役女子高生”上中別府チエさんによる元気になる知恵は学ぶこと、生きること、仲間のすばらしさを知るヒントがいっぱい。金髪、ヤンキー、不登校…定時制高校のヤンチャな生徒たちと熱血教師とすごす感動の青春ノンフィクション。
目次
第1章 80代で訪れた憧れの高校生活!
第2章 15歳・戦後の混乱期を生きて
第3章 76歳・待望の中学校進学
第4章 80歳・そして、高校生に
第5章 82歳・なぜか、野球へ入部!
第6章 83歳・感激の初出場、そして「最後の夏」
第7章 83歳・最後の試合、仲間たちの涙
第8章 大好きなチエさんへ―同級生、先生からの言葉
第9章 そして、私のこれから
著者等紹介
上中別府チエ[カミナカベップチエ]
鹿児島県出身。15歳で太平洋戦争を体験。貧しい農家の家計を支えるために畑仕事、幼い兄弟の面倒を見ているうち、まともに勉強ができなかった。9年前に夫を見送り、「英語を勉強したい」と76歳で川崎市の夜間中学に。その後川崎市立高津高校定時制へ入学し野球部へ入部。背番号は「12」。現在同4年生。来春卒業予定(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
57
第二次世界大戦を生き子供を立派に育て上げ、これから夫婦で余生を生きようとした矢先の夫の死。チエさんは76歳で中学に入学、その後定時制高校に進む。自分の為に生きる事が許されなかった時代を取り返すがごとく、メラメラと学習意欲に燃え努力を惜しまないチエさんの姿に目の前が歪む。学ぶ事が楽しくてしょうがないと溢れ続ける言葉。還暦までが現役ではない。余生をどう生きるか。継続は力となる。生きる源は自分次第で堀当てられるんだ。チエさんと机を並べた若者たちは学べる多幸を知り、己の可能性と未来を夢見る手助けとなった事だろう。2014/05/19
Gummo
32
神奈川県川崎市の定時制高校に通うチエさん(現在4年生)は、昭和5(1930)年生まれの83歳。夫を亡くした後、76歳で「英語が勉強したい」と夜間中学に。その後高校へと進学、3年次には野球部に入部し、公式戦出場も果たしている。なんとパワフルで前向きな人生だろう。「青春とは心の若さである」という言葉を思い出した。また、チエさんはユーモアがあって心も寛い。この人の前では誰もが素直に心を開いてしまうのだ。「人生は本当に素晴らしい」と語るチエさん。自分もそう言えるように頑張ろうと思わせてくれる1冊だった。★★★★☆2014/02/04
ごへいもち
31
高校球児のトピックより高齢になってから決心して夜間中学高校に通い周囲の人を暖かい気持ちにさせた素敵な人柄の話がメインかと。家庭人としてきちんと義務を果たしてきた方なのだろう。だからこその家族の応援2018/05/17
オリーブ
15
「学校が楽しい!」「知らないことを学ぶことが楽しい!」と仰るチエさん。義務のように行っているだけの学生時代だった自分を振り返ってみて、これこそが学校が存在する意味なんだな~と感じました。不安ばかり感じて現在を犠牲にせず、今日を機会に何かにチャレンジしたくなりました。だってチエさんが夜間中学に行こうと決心したのは76歳ですよ!もう純粋に勉強したいと言う気持ちを抑えられなかっただけのようです。孫よりも若い人たちと同級生として普通に会話して励まし、励まされる様子に年齢がどうとか言うことはちっぽけな事なんですね。2014/08/10
ほうき星
15
76歳で、夜間中学に入り、定時制高校にすすんだ女性のお話です。英語を勉強したい、他の教科にも向上心を持つことで、チャレンジを続ける姿は、頭が下がります。努力した分は、何倍にも返って来ます。その姿は回りの人をも変えてしまう。ひょんな事から野球部に入ります。残念なことに全国大会には行けませんでしたが、野球を通して更に絆を深めていきます…。努力をする人には回りの人間も手を差しのべる。今春卒業ですね、おめでとう、チエさん。2014/02/13