内容説明
「口から食べられないとき」=「死ぬとき」ではない。専門医が教える胃瘻の使い方、考え方。
目次
第1章 胃瘻とは何か?正しく理解していますか?(私と胃瘻との出合い;食べられない子どもの栄養補給法として誕生 ほか)
第2章 なぜ、胃瘻が悪者にされるようになったのか(胃瘻が必須、胃瘻で助かる命が実はたくさんある;事故や拒食症で胃瘻を使う場合も ほか)
第3章 体験談に学ぶ胃瘻の考え方・使い方(胃瘻を造ってくれる病院を探して相談。積極的に嚥下リハビリを行っています;胃瘻を造り、リハビリをしたおかげでおはぎやおにぎりを食べられるように ほか)
第4章 胃瘻についてここが知りたいQ&A(誰でも胃瘻は造れるの?造れない人はいる?;どこの病院でも、胃瘻は造ってもらえるの? ほか)
著者等紹介
丸山道生[マルヤマミチオ]
1980年、東京医科歯科大学卒業。日本外科学会指導医・専門医。専門は消化器外科。現在、東京都保健医療公社大久保病院外科部長、東京医科歯科大学臨床教授。腸瘻から経腸栄養に興味を持ち、専門とする。胃瘻の正しい知識の提供・普及を目的としてNPO法人「PEGドクターズネットワーク」の活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さと
36
これまでとは違った視点で胃瘻を知るつもりで手にしたのだが、本来見つめるのは胃瘻の是非ではなく、まさに死生観なのだと思った。それによっては胃瘻という選択さえ存在しないものとなる。医療と本来備わっている人間の生きる力とのバランスが大きく崩れているように感じた。今は医学が人を置いてきぼりにしている感じが否めない。医療のために人の体がある、これは本末転倒。生かすとか生きてほしいとかの前に本人(自分)はどう思うのか、まずそこありき。私は、生きる というより生かされている という考え方の方がしっくりくるかな。2014/12/08
ヒナコ
2
胃ろうについての医師の立場からの概説書。著者はガンの専門家らしいが、胃ろうについての基本的な情報が、医学の門外漢にも分かりやすく書いてある。 胃ろうについては医学的な知識抜きでのイメージ論がたくさん流通してしまっているが、胃ろうを通じて栄養を摂取するというのが、具体的にどういうことなのかというのを知らずに議論が進んでしまっているというのが著者の立場である。→2020/09/15
カフェラテレックス
0
昨今の胃ろうバッシングでの胃ろうに対する誤解を解くべく、医者の立場から胃ろうについて詳細に解説した本。「造りなさい」というタイトルではあるが、何が何でも胃ろうをしろということを言っているわけではない。向いているケース、向いていないケース、つくっった後はどうしたらいいかとか、やみくもに反対するのではなく、胃ろうについて知ってください、という本。2023/09/29