真夜中の動物園

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784072778074
  • NDC分類 K933
  • Cコード C0097

内容説明

「走りなさい!子どもたち」それが、母さんの最後のことばだった。廃墟となった村にとりのこされた、幼い三人兄弟は走りつづけ、そして―父と母をうしなった3人兄弟と廃墟にとりのこされた動物たちが見たものは―アストリッド・リンドグレーン賞受賞作家が描く、哀しみと希望の物語。2011年オーストラリア児童図書賞受賞、2012年カーネギー賞候補。

著者等紹介

ハートネット,ソーニャ[ハートネット,ソーニャ][Hartnett,Sonya]
1968年、オーストラリア・メルボルン生まれ。多数の児童書を執筆、そのほとんどが高い評価を得て、数多くの賞を受賞している。2002年に『木曜日に生まれた子ども』でガーディアン賞を、2008年にはすぐれた児童書作家に贈られるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。2011年『真夜中の動物園』でオーストラリア児童図書賞受賞

野沢佳織[ノザワカオリ]
東京生まれ。上智大学英文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケロリーヌ@ベルばら同盟

50
【海外作品読書会】破壊しつくされ、瓦礫と埃ばかりの村に幼いロマの兄弟がやってきます。赤ちゃんの妹を背負い、痛む足を引き摺り、闇に隠れる様にして。二人がたどり着いたのは、奇跡的に爆撃を逃れた動物園。そこには、何と言葉を喋る雌ライオンや、オオカミ、クマなどの動物が、檻の中に置き去りにされていました。彼らは一夜の内に現在、過去、そして動物たちの故郷へと旅をします。旅の果てに現れた懐かしい人影は、兄弟の母、ロマの守護聖人「黒いサラ」、動物たちの「アリス」何れでもあり、永遠の眠りを齎すもの。世界の空洞に魂を還す手。2019/05/13

星落秋風五丈原

34
ロマの三人兄妹が真夜中の動物園に迷い込む一夜の出来事を描く。動物達の独白、子供たちの過去、そしてラストと三場くらいで演劇になる素材。動物達は人間の言葉を話し、これまでの来し方を話す。そこには人間達の残酷な行為が関わっていた。ロマの兄弟たちもまた同じ人間達によって虐げられていた。ラストはオープンエンド。ハートネットには珍しくフィクションの要素が強い。2015/05/17

七色一味

26
読破。東欧、第二次世界大戦さなか、住む人もなく廃墟と化した村に残った動物園──。生と死の対比、目に見える檻と目に見えない檻、迫害される人種と忘れ去られた動物たち。重なるようで重ならない互いを隔てる鉄格子。最後は、どちらにとっても微かな、それでも諦めてはいけない希望の光が差したようだった。深い。重い。2012/09/28

小夜風

25
【図書館】戦時中のチェコスロヴァキア。ロマの兄弟アンドレイとトマスは侵略者に一族を襲われ、空襲で廃墟と化した村をさまよった末に小さな動物園にたどり着きます。先に読んだ著者の2冊よりはグンと児童書らしくなって読みやすかったです。それでも心が締め付けられるような陰鬱さはありますが、動物が言葉を話せるというファンタジーが、陰鬱さを穏和しているかな…。プロローグとエピローグが美しい絵本を読んでいるようでした。2014/10/24

ぱせり

18
神秘的、ともいえるような独特の透明感の中を読みながら旅して思いがけないところまで連れてこられる。ちょっとフライシュマンの『マインズ・アイ』を思いだすが、こちらの本は、これをよしとは言えない。本物をあきらめたうえの代替品が本物以上に輝くことは確かにある。でも、本物を奪っているのは人間。辛い。 2012/07/05

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