目次
文庫版にあたって 日本人を今なお縛る歴史観からの解放をめざして
第1章 『坂の上の雲』にいまわたしたち日本人が問いかけなければならないもの
第2章 『坂の上の雲』に描かれた旅順攻防戦の虚像と実像。はたして史実はどこにあったのか
第3章 ユダヤ人大迫害と『坂の上の雲』。どんなつながりがあるかおわかりだろうか
第4章 ノモンハン事件。司馬氏が果たせなかったライフワーク。この戦いの光と影がいま逆転した
第5章 戦後の日本人の精神構造や国家像。「司馬史観」とどう結びついているのか
第6章 「明治はよかったが戦前の昭和は暗黒」という史観がある。しかし、欧米の識者は戦前の日本や極東をどう見ていたのだろうか
著者等紹介
福井雄三[フクイユウゾウ]
1953年7月、鳥取県倉吉市生まれ。東京大学法学部卒。企業勤務のあと、1992年、大阪青山短期大学助教授。専攻は国際政治学、日本近現代史。行動する社会科学者が信条。シベリア鉄道でモスクワに赴き、赤の広場で戦車の上に立って演説するエリツィンの姿を目撃した。さらに中国大陸と台湾を踏破、生々しい世界の動きを直接取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けいた@読書中はお静かに
11
司馬遼太郎の『坂の上の雲』を読書中。物事を一片から見るのではなく、多面から見るために読んだ作品。司馬作品や漫画(はだしのゲン)などがあまりにも有名過ぎて、物語のストーリーや作者の主観が歴史になってしまっていることを危惧している。歴史認識とは後世の人間が感じたことが、歴史として認識されることが多く、その時代や国家(今の中韓など)により、同じ時間を見ても認識が違うのは第一次世界大戦後のドイツにおける『あいくち伝説』のようなことが多々起こるんだな。『余談だが(笑)、同じことが百田尚樹作品でも起こり、百田史観と言2014/01/03
ムカルナス
7
表題に関しては旅順攻防戦、他にも歴史小説などで日本人が思い込んでいる歴史は真実ではない、自虐史観でない正しい歴史を認識してこそ真の独立国家になれると説く。興味深かったのは中国国民党は欧米メディアに多額の謝礼を払い日本の残虐行為を捏造して情報操作し、「革命外交」と称し過去の不平等条約や列強のシナにおける権益を一方的に破棄したこと。それに対する日本の立場が世界に正しく理解されなかったことが侵略国家の烙印を押されることに繋がる。この構図は現在の中韓との関係にそのまま当てはまり歴史にもっと学ぶべきとつくづく思う。2020/12/22
チダ(uy1)
3
小説はフィクション偽物。それに対しての史実。虚実は読む前からしれている。 問題は虚なるフィクションをドラマ化し視聴料を取り洗脳をする配信側の巨大化とこれを信じ鵜呑みにし騙され続けさらに金を払うという実態。。。2018/04/29
Punk!Punk!Punk!
3
坂の上の雲がTV化されることで便乗文庫本化され、坂の上関連の話は1,2章だけで、司馬遼が描かなかった昭和史、特に第二次大戦の話がメインとなっている。司馬史観を思い込み史観とし、虚構伝説を創り出し、誤った認識を多くのものに植え付けたとしている。そして明治から昭和へと論点を変え、ユダヤ問題からノモンハン事件へと話を繋げ、この2つの章で半分を費やし、坂の上の乃木希典同様第二次大戦で愚将とされた辻、服部や陸軍を擁護し、司馬派の半藤批判と司馬史観否定を繰り広げる。結局の処、これらも著者の史観であり、同じに思えるが。2013/10/15
kohei tomohiro
2
坂の上の雲の対比本として読了。 坂の上の雲の間違いに ついては第1章のみ。 ナチスによるユダヤ迫害やヨーロッパの戦争に至る経緯がわかりためになる本。 国家とは何か天皇とはどういう存在なのか について考えさせられる 良いきっかけとなった。2018/09/27
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- 和書
- 喜美代の25歳