内容説明
エマ・ジーンは学校でういていた。だって、同級生たちがやっていることといったら、相手の気持ちを傷つけたり、自尊心をふみにじったり、約束をやぶったり、自信をなくさせたり。おたがいにつけあっている痛みの数といったら。エマ・ジーンはそんな理不尽がいやだし理解できないので、みんなからちょっとはなれて、遠くから観察しているのが癖になっていた。でもある日、トイレで泣きくずれているコリーンから助けをもとめられる。がらにもなく、コリーンの「問題」を解決してあげようと思いたってしまったから、さあたいへん。コリーンの「問題」はさらにとんでもないことに―ゴールデン・カイト賞オナー受賞。『パブリッシャーズ・ウィークリー』『スクール・ライブラリー・ジャーナル』『フィラデルフィア・インクワイヤー』『マイアミ・ヘラルド』「ニューヨーク・パブリック・ライブラリー」「シカゴ・パブリック・ライブラリー」「ブックセンス」が選ぶ2007年ベストブック。
著者等紹介
ターシス,ローレン[ターシス,ローレン][Tarshis,Lauren]
スコラスティック社の児童向け文学誌“STORYWORKS”の編集者。『エマ・ジーン・ラザルス、木から落ちる』で作家デビューをはたし、高い評価をうける。コネティカット州に、夫と4人の子どもと暮らしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
エマ・ジーンは友だちと距離を置いて関わろうとしない女の子。一方コリーンはいつも自分がどう思われているか気にする女の子。エマ・ジーンがコリーンのために、としたことが実はコリーンを傷つけていました。2018/10/04
ぱせり
5
わたしなんて、すっかり大人になってしまっても、まだまだ木から落ち続けています。それも同じ木から何度も落ちているような・・・それでも少しは木登りが上手になってきたのでしょうか。(自信なし) 2009/05/31
dumpty
5
かなり好きです。「変わっている」ことに対して、肯定的に受け止めようとしてもやはりどこかに違和感があるもので、それを側で見つめ続けて「そろそろ、それをうけいれるときよ」と言うエマ・ジーンのお母さんは素敵です。ほっ。2009/02/23
遠い日
2
エマ・ジーン・ラザルスは七年生。学校で浮いている存在。聡明で、かわいくさえある。けれど、人とは違うことに満足感さえ抱いている子だ。同級生のコリーンの困りごとに手を貸そうと思ったときから、少しずつ彼女とその周りが変わり始めていく。気をよくした彼女が、次々に同様の方法で“人助け”なるものに手を出していくようすは、ちょっとした推理もののようでおもしろかったが、しょせんは心の伴わないやり方が、すべてのトラブルに有効なわけがない。エマ・ジーンは、人を傷つけたことを心に刻んだ。ラストは彼女の成長ぶりが清々しかった。2008/10/08
四男の母
1
(変わってる: 特別な、並はずれた、驚くべきようす )と、お母さんが辞書の言葉を教えてくれたところが好き。やり過ぎなところもあったがエマ・ジーンは応援したくなる子だ。2018/01/17