内容説明
古王国―魔術がさかえ、死霊が徘徊し、冥界への扉がつねに開かれている国。その古王国で、魔術師である父が謎の失踪をしたという。隣国に住んでいる娘サブリエルのもとには、父の剣と魔術の道具が、不吉な化け物の手によって届けられた。古王国でなにかが起こっている―サブリエルは父を捜しに、単身、『壁』を越えて古王国へと旅立った。1995年オーストラリア・ファンタジー大賞受賞、1997年米国図書館協会ベスト・ブック選定。
著者等紹介
ニクス,ガース[ニクス,ガース][Nix,Garth]
1963年オーストラリア、キャンベラ生まれ。キャンベラ大学卒業後、編集者となるが、その後、ヨーロッパ、中近東、アジアを放浪。マーケティング・コンサルタント、出版エージェントを経て、現在にいたる。『古王国記』で、ファンタジー作家としての確固たる地位を獲得
原田勝[ハラダマサル]
1957年生まれ。東京外国語大学卒業、埼玉県在住。英語圏のヤングアダルト小説を中心に翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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工藤さんちの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nagatori(ちゅり)。
25
図書館でどの本を借りようか迷った時、適当に「窓際の一番端の最上段、左隅の本!」という風に当てずっぽうに場所を決めてそこの本を借りるゲーム(?)をすることがある。この本もそれ。ダークファンタジーで、チャーターだのフリーマジックだのわからない用語がバンバン出てくる。地名も世界観も勿論架空、しかしそれらについての説明は一切なしで「勿論読者も知ってるよね?」的な感じでズンズン話が進むのがなんというか…面白い(笑)しかも主人公も知らない土地を旅する、わからないだらけの上巻でした。でも伏線沢山、読ませるなあ。次巻へ!2021/03/31
はんみみ
13
サブリエルが高潔で勇気があるため、世界観に慣れる前に置いてきぼりをくらった気分(ハイファンタジーに慣れていないせいもあるかも)先導役でも解説者でもあるモゲットが出てきてからはなかなか読ませる。モゲットがいかにもでかくて気位の高い猫で良い!2014/02/27
Nagomin
11
海外のファンタジー作品で、少し独特な雰囲気のある物語だった。ベルを使って死者を眠らせ、彼らを死者の国に送り返すアブホーセンという役割を担う家系に生まれた主人公の物語。行方不明になってしまった父親を探すため、謎に包まれた古王国に旅にでるところから始まり、古王国の様子が少しずつわかり、だんだん面白くなってきたなと感じたところで続編へ続くという感じだった。2021/09/28
さるる
10
再読。古本屋で文庫本をみつけたので手軽に読めると購入。魔術が生きていて死霊が跋扈する処の古王国と壁を隔てたこちら側で暮らすサブリエル。ある日彼女のもとに魔術師である父の剣と7つのハンドベルが化け物によって渡される。不安を胸に父アブホーセンを探しに1人、古王国へ向かう。アブホーセンとは死の眠りに戻らずに悪行を働く者を、冥界に送り返す役目を担う者。冥界の霧に包まれ、こもったような水の流れる音だけが聞こえる空間に響きわたるハンドベルの澄んだ音色。この静かな世界観にとても惹かれる。2018/08/17
しろ
8
☆6 サブリエルがとてもいい主人公。遠坂凛的な感じ。死後の世界も行き来するダークファンタジー。正直序盤、特にモゲットが出てくるまでは少し地味だったけど、世界観をつかみ始めれば面白い。2015/04/05