銀のロバ

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  • サイズ B6判/ページ数 190p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784072497975
  • NDC分類 K933
  • Cコード C0097

内容説明

ひんやりした春の朝、海に近い森の中で、ふたりの少女は盲目の兵士にであった。そして、ふたりにとって、かけがえのない冒険がはじまった―ほんとうの勇気とは?思いやりとは?愛情とは?心に深くしみいる寓話の傑作!オーストラリア児童図書賞受賞。

著者等紹介

ハートネット,ソーニャ[ハートネット,ソーニャ][Hartnett,Sonya]
世界的に高い評価を受けている小説家。『木曜日に生まれた子ども』(河出書房新社)は、ガーディアン賞を受賞、“FOREST”と『銀のロバ』はそれぞれオーストラリア児童図書賞を受賞した。メルボルン在住

野沢佳織[ノザワカオリ]
1961年東京生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小夜風

23
【図書館】戦場の暗い描写はありますが、ソーニャ・ハートネットさん4冊めにして、今までで一番安心して読める感じでした。フランスの森の中である日幼い姉妹が見つけたのは、イギリスの脱走兵。兵士は目が見えず、イギリス海峡を渡って故郷へ帰りたいのだと言います。兵士が大切に持っている銀のロバを何の悪びれもなく「もらってもいい?」と言えちゃう幼いココにお~い!と思ったけれど、子どもらしくて愛らしかったです。良いお話でした。2014/11/04

星落秋風五丈原

15
ロバといえば、いつも小さな体に山のような荷物を背負い、旅をしているイメージだ。おとなしく文句を言わず黙々とよく働く。人間のために立派に役立っているのだが、ちょっと地味だ。いや人によっては、愚直なあまり、勇気のない弱虫と勘違いされたり、苦労の割に報われないというイメージだ。本書の子供たちは、森で出会った盲目の脱走兵との触れ合いの中で、本当はそうではないということを学ぶ。2006/12/14

マッピー

14
第一次大戦中、フランスの海沿いにある町の森の中で、マルセルとココは兵士が倒れているのを見つける。それは脱走兵なのだが、10歳と8歳の少女は彼を助けるため、毎日家から食料などを持って森へ通う。マルセルやココが持って来たものを食べながら、兵士はロバにまつわるお話をする。自分の身を顧みず、他者のために力を尽くすそれらのロバの話は、子どもたちにいろいろなことを考えさせる。マルセルは、きっと人を助ける人(看護師とか)になれると思う。目立たなかったけれど、私は彼女が一番好きだった。2020/10/08

Machida Hiroshi

13
ロバは、小型ながら非常に強健で粗食に耐え、管理が楽なことから古代から使役に使われてきた動物だそうです。西洋では愚鈍さの象徴とされるように、頑固で気分次第で動かなくなる融通の無さもあるようです。本書は、そんなロバを軸にして展開する静かで不思議と心が温まる童話的なお話です。前線から脱走した兵士を発見した姉妹は彼に水や食料を運んでやります。妹は彼の銀のロバに魅せられます。彼は食事の御礼とでもいうように、ロバにまつわる4つのお話を語ります。全てロバの特徴が活かされた素敵なお話で、心がふんわりと温かくなりました。2016/05/23

がる 

11
読み友さんご紹介本。オーストラリア児童図書賞。 死人を見つけたと思い「こんな素敵な発見」と言う少女たち、戦争に興味深々の兄。いち早く志願して軍隊に入り、胸躍る経験ができるものと期待した兵士。子供達はいつどんな形で兵士のように現実を知るだろう。 妹たちにいじわるなお兄ちゃん?と思いきや、意外と頼りになるパスカールが素敵でした。 平行して語られる四つのロバの物語が味わい深いです。 クリスチャンなので、ひとつめの話が‘こんなエピソードもあったとしたらいいなぁ’と思いました。手元に置きたい本です。2014/04/28

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