内容説明
ビジネスクラスはなぜ誕生したのか?「弱肉強食」化した世界の航空業界の生き残り戦略とその事情を披露。
目次
1 大空のサバイバルレース事情―なぜパンナムは消えたのか?(戦国時代を勝ち抜いたアメリカの航空会社たち;1976年に産声を上げた空の自由化 ほか)
2 世界の航空会社の提携・連合・再編のゆくえ―熾烈をきわめる生き残りの戦略とは(戦国時代が終わると、提携を外に求める;ノースウエストとKLMは理想的な提携だった ほか)
3 なぜビジネスクラスは誕生したのか―各航空会社の秘められたエピソード(ソ連崩壊とともにがらりと変わったロシアの航空業界;航空会社乱立から再編へ向かう中国の航空業界 ほか)
4 日本で旅客便を運航する航空会社一覧データ82(日本航空(JL)
JALウェイズ(JO) ほか)
著者等紹介
谷川一巳[タニガワヒトミ]
1958年横浜市生まれ。日本大学卒業。旅行会社勤務を経て現在フリーライター。雑誌、書籍で世界の公共交通や旅行に関する執筆を行う。今までに利用した航空会社は約80社
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ゲオルギオ・ハーン
28
大学時代にゼミの先生が航空業界の調べものをしていた時は航空業界の奥深さをあまり感じられなかったが、本書を読んで思った以上に戦略性の高い経営が求められる業界だと思った。各国の規制もあるが、航路をどう設定し、航路で使う機材はどうするか、航空連合に入るか入らないか(入った方が有利そうだが加盟すると経営情報を全て連合内に公開しないといけない)、席のクラスや数をどう設定するかなど調べてみると面白そうなことが数多くあった。アメリカの航空会社の群雄割拠と統合の歴史も一冊書けそうなくらい濃くて興味が湧いた。2023/01/14
Yasuko Watanabe
0
★22017/12/04
siomin
0
「2002年当時」にあった世界の航空会社の現状や歴史をまとめた本。とくに飛行機大国であるアメリカの記述は詳しく,「その当時」までの歴史は細に穿つほどです。ただ,離合集散が激しい航空会社,ノースウエスト航空やコンチネンタル航空の話は懐かしさを覚えるほどです。今書かれたとしたらこのような会社の記述は少ないでしょうから貴重です。イスラエルに飛ばすためにエジプト航空は子会社を設立したとか,ヴァリグブラジル航空は地域にブラジル出身者が多い名古屋空港に就航したとか,航空会社の歴史は政治経済に密接なのがわかります。2017/01/09