出版社内容情報
異常か正常かの境界線は微妙でむずかしい。古今東西の天才たちや、事件を起こした人たちの異常性を取り上げ、異常心理の複雑さを解説。異常発見のチェック・リストつき
次々と発生する殺傷事件や異常な事件に登場する異常者の存在は、けっして他人事ではない。ちょっとしたきっかけで、自分や家族も巻き込まれる可能性が十分にありうる。しかも、被害者になるというだけではない。条件がいくつか重なれば、あなたも異常という負の世界に引き込まれるおそれは十分にある。いったい、人はなぜ、心を病んだり、異常な行動に走ったりするのだろうか。次々と発生する精神科関係の事件によって、精神病への関心が高まっている。著者は85歳の現在も精神科医として活躍中だが、専門の精神医学をベースに、近年に発生したさまざまな事件をとり上げながら、異常心理の複雑なしくみについて、わかりやすく書き下ろしたエッセイ。著者の持ち味を生かした、軽妙洒脱なタッチの文章が一般向きで読みやすい。☆第1章 異常か正常か、その境界は微妙☆第2章 古今東西の天才に見る異常性☆第3章 犯罪事件から見た異常性格☆第4章 何が異常を引き起こすのか☆第5章 複雑に絡んで起こる異常心理☆第6章 異常の早期発見が心も崩壊をくい止める(異常発見のためのチェック・リスト50がついているので、自分でチェックできる)
内容説明
ある状況のもとでストレスがしだいに蓄積して、一定の臨界点を突破するとき、人はなんらかの異常を引き起こし、さまざまな精神疾患を発症する。急激なときはパニックに襲われ、ゆるやかなときはうつや心身症に陥る。臨界点のレベルは、個人によって異なり、また、性格や状況によって、その方向も異なる。この異常心理現象はだれにでも起こりうることを心得ておいていい。
目次
第1章 異常か正常か、その境界は微妙
第2章 古今東西の天才に見る異常性
第3章 犯罪事件から見た異常性格
第4章 何が異常を引き起こすのか
第5章 複雑に絡んで起こる異常心理
第6章 異常の早期発見が心の崩壊をくい止める
著者等紹介
斎藤茂太[サイトウシゲタ]
1916年(大正5年)、東京生まれ。青山脳病院院長で歌人の斎藤茂吉・輝子夫妻の長男。作家の北杜夫は実弟。明治大学文学部、昭和医専(現昭和大学医学部)卒業後、慶応義塾大学医学部神経科医局で学ぶ。現在、医療法人財団赤光会斎藤病院理事長で、現役の精神科医として週2回、外来患者の診察も行っている。また、日本精神病院協会名誉会長、日本旅行作家協会会長、アルコール健康医学協会会長、日本ペンクラブ理事を務め、評論家、エッセイストとして多岐にわたる活動を続けている
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