講談社選書メチエ<br> AI人類学―生成AI時代の超倫理

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講談社選書メチエ
AI人類学―生成AI時代の超倫理

  • 西垣 通【著】
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  • サイズ 46判/ページ数 232p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065438640
  • NDC分類 007.1
  • Cコード C0310

出版社内容情報

チャットGPTに代表される生成AIが世界的な注目を集めたのは2022年末。それから数年を経て、今や対話型生成AIは爆発的な普及を見せ、後戻りのきかない状況にある。これは、われわれ人類にとって僥倖なのか、それとも……? 前著『AI原論』(講談社選書メチエ、2018年)から8年、第一人者はこの状況を根源的に問うために、もう一度、筆をとった。
チャットGPTやGeminiは、深層学習(ディープラーニング)に加え、大規模言語モデルという精妙な新技術に基づいている。その革新性ゆえに、生成AIが生産活動の効率を一挙に向上させ、巨大な経済成長をもたらすことは、おそらく間違いない。しかし、と著者は言う。「冷静に眺めれば、生成AIが内部で実行しているのは、単語の使用データを高速統計処理し、出現確率の高い単語を並べているだけだ。質問文の意味を本当に理解しているとは思えない。とんでもない内容の誤情報や偽情報も平気で出力する。そんなAIの回答をうやうやしく信奉し、人間のかわりに仕事の決定を任せて大丈夫なのか」と。
「AIは人知を超える」という予測は、ますます現実味を帯びているように思える。しかし、そもそも「人類の知性」とは何か? それはコンピュータによるデータ処理と等価でありうるものなのか?―─こういったテーマを考えるには「生命と機械の異質性/同質性」や「無意識領域ではたらく情動」という難問に取り組まなくてはならない。少なくとも「情報」という概念を基礎から捉え直す学問が必要になるだろう。その新たな学問を創出する企てに取り組み続けてきた著者は、本書で人類学的な知見をも取り入れて、これらの根源的な問いに正面から向き合う。
その先には、生成AIの進化と普及を踏まえた上での知的革命が予感されるだろう。AIを単純に肯定するのでも否定するのでもない「第三の道」を指し示す本書は、もはやAIと無縁で生きることのできないすべての人に向けられた重要なメッセージである。

[本書の内容]
 第I部 生成AIをめぐる疑問
第1章 脳型コンピュータの到来
第2章 日本のデジタル敗因
第3章 挫折した国産第五世代コンピュータ
 第II部 デジタルAIとはそもそも何か
第4章 一神教から生まれたデジタル文明
第5章 約束の地アメリカ
第6章 科学と情報を問い直す
 第III部 生命と機械をつなぐ
第7章 ネオ・サイバネティクスとは何か
第8章 基礎情報学というステップ
第9章 生命的な超倫理をつくる
第10章 生成AI時代の情報学的転回


【目次】

まえがき

第I部 生成AIをめぐる疑問
第1章 脳型コンピュータの到来
第三次AIブームはビックデータから/深層学習(DL)/大規模言語モデル(LLM)/シンギュラリティ仮説
第2章 日本のデジタル敗因
国産デジタル技術とDX/オープン・システムとクローズド・システム/和魂洋才はどうなるか
第3章 挫折した国産第五世代コンピュータ
記号計算とニューラルネットによる思考機械/並列推論マシン/脳と心

第II部 デジタルAIとはそもそも何か
第4章 一神教から生まれたデジタル文明
対称性から非対称性へ/一神教の成立/キリスト教と普遍主義/メカニカルな布教
第5章 約束の地アメリカ
1492年の出来事/三位一体における聖霊/巨大な応用科学技術の暗部
第6章 科学と情報を問い直す
言語学的転回と相対主義/思弁的実在論からの批判/情報圏で部品化される人間/体験がつくるアブダクション

第III部 生命と機械をつなぐ
第7章 ネオ・サイバネティクスとは何か
二つのパラダイム/二次サイバネティクス/オートポイエーシス
第8章 基礎情報学というステップ
生命・社会・機械における自律と他律/階層的自律コミュニケーション・システム(HACS)/プロパゲーションという意味伝播
第9章 生命的な超倫理をつくる
AI倫理/美と創造性/生命的超倫理とその海外展開
第10章 生成AI時代の情報学的転回
AI登場は幸福か不幸か/情報学的転回による第三次形而上学革命


文献一覧
あとがき

内容説明

チャットGPTに代表される生成AIが世界的な注目を集めている。対話型生成AIは爆発的な普及を見せ、後戻りのきかない状況にある。これは、われわれ人類にとって僥倖なのか、それとも…?前著『AI原論』(講談社選書メチエ)から八年を経て、著者はこの状況を根源的に問うために、今一度、筆をとった。「生命と機械の異質性/同質性」、「無意識領域ではたらく情動」という難問に取り組み、「情報」という概念を基礎から捉え直すべく、人類学的な知見をも取り入れて正面から向き合う。第一人者が今こそ問う、最重要メッセージ。

目次

第1部 生成AIをめぐる疑問(脳型コンピュータの到来;日本のデジタル敗因;挫折した国産第五世代コンピュータ)
第2部 デジタルAIとはそもそも何か(一神教から生まれたデジタル文明;約束の地アメリカ;科学と情報を問い直す)
第3部 生命と機械をつなぐ(ネオ・サイバネティクスとは何か;基礎情報学というステップ;生命的な超倫理をつくる;生成AI時代の情報学的転回)

著者等紹介

西垣通[ニシガキトオル]
1948年生まれ。東京大学工学部計数工学科卒業。日立製作所、スタンフォード大学でコンピューター・システムの研究開発に携わったのち、明治大学教授、東京大学教授、東京経済大学教授を歴任。東京大学名誉教授。工学博士。専門は、情報学・メディア論。主な著書に、『デジタル・ナルシス』(岩波現代文庫、サントリー学芸賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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タカナとダイアローグ

14
(メモ)読んだのこっちだった… AI原論もよみます… 情報を哲学」している内容に、コレコレー!と楽しく読んだ。「情報」が広い概念で、階層的に考えられるようになった気がする。DNAは情報だけど、社会情報とはことなる、とか。チューリングやノイマン由来のコンピュータは、ユダヤ・キリスト教的な知識間の延長。科学的な知識以外の知識もあるし、相互作用的な、オートポエティックな知識もありそう。いっかい情報としてさらに抽象化して、サイバネティクスも興味が出ました。2026/07/07

izw

5
本書出版記念の平野啓一郎とのトークショーに聞きに行くにあたり、読み進めていたが、若干届かず、トークショーが終わってから読み終えた。西垣先生の集大成だという紹介があったが、その通りの内容である。生物と人工物は根本的に異なる、科学とその延長線にあるAIは一神教の考えに裏付けされる。生命的超倫理、情報学的転回が求められるなど、これまでの主張が融合され、AI礼賛に対する冷静で痛烈な批判になっている。心・意識を人工物で作ることはできないという考えに懐疑的だったが、徐々にそれが正しいかもしれないと思い始めている。2026/07/14

鴨長石

4
よくあるAI脅威論は西洋の一神教的価値観から生まれるものという著者の主張に完全に同意する。日本がデジタル分野で遅れた理由として、「お上(エリート)が下ろしてきたものを庶民は受け入れる」国民性があり、昨今のオープンDXと相性が悪いから、というのは何となくわかるところがあり、興味深い。著者が言うオートポイエーシスやユク・ホイの技術(宇宙技芸)の多様性などを考えながら、AIとの付き合い方を確立していく必要があるだろう。2026/05/26

takao

2
前著 AI原論、ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める2026/06/18

midosuzi

0
★★★☆☆。生成AIを普段使いするようになった昨今、こんな本を読んで距離をとっておかなければと感じた。2026/07/06

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