半導体 尖端覇権の興亡

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半導体 尖端覇権の興亡

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  • サイズ 46判/ページ数 520p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065437179
  • NDC分類 549.8
  • Cコード C0060

出版社内容情報

尖閣諸島沖の波高い2010年、中国漁船が海上保安庁の巡視艇に体当たりし、海保職員によって船長が逮捕された。中国はこれに反発し、レアアースの輸出を全面禁止すると通告する。狼狽した民主党の菅直人首相は処分保留のまま船長を釈放した。一連の経緯によって、中国はレアアースを「戦略物資」することを学習する。翌年の東日本大震災と福島第一原発の放射能漏れ事故によって、日本は太陽光発電を中心とした自然エネルギーに大きく軸足を移すが、すでに太陽電池の生産は中国メーカーに主導権を奪われつつあった。中国は先進諸国から学んだ技術をもとに政府から巨額の補助金を得てあっという間に日本メーカーを駆逐し、世界市場を握ってしまったのだ。同じころ、半導体製造の根幹となる露光装置でも日本は後発のオランダ企業に打ち負かされようとしていた。次世代の露光装置に極端紫外線(EUV)を使うというアイデアを世界に先駆けて考案したのは日本人研究者だった。しかしニコンが手をこまねいている間にオランダ企業が実用化に成功し、この分野の「世界一強」となった。リーマン・ショックとそれに続く円高によって、DRAMと言われる半導体メモリを製造するエルピーダが破綻し、米マイクロンに買収された。続いて、液晶テレビで世界に先駆けたシャープが、新参者の台湾の鴻海精密工業に下克上された。2010年代初頭、日本のハイテクメーカーは急速に凋落し、気がつくと、韓国や台湾どころか中国に先端製品を抑えられるようになった。中国への警戒感が台頭するとともに「経済安全保障」という思想がアメリカやヨーロッパからもたらされた。日本企業の持つ技術や製品を囲い込んで、外国の「侵略」から守るという戦略を模索し始めた。経産官僚はまずTSMCを誘致することに成功し、渋る財務省を押し切って巨額の補助金をもぎとった。するとアメリカのIBMから「最先端の半導体製造技術を提供する」という話がもたらされる。当初、一部の官僚は半信半疑だったが、ロシアのウクライナ侵攻が転機となった。もし中国軍が台湾に侵攻したら――その連想が、背中を押す。こうして、新興企業「ラピダス」に10兆円もの国費が投入される巨大プロジェクトが、うなりをあげて進行しはじめた。日本の電機企業の盛衰を30年にわたって取材してきた著者にしか書けない壮大な叙事詩。現在進行形のドラマを追う、ビジネスマン必読の一冊。?


【目次】

第一部
第一章 レアアース――経済安全保障との遭遇
「ミン普漁5179」
七割削減の通告
全面禁輸
狙われた永久磁石
日中逆転

第二章 太陽電池――楽天主義の終焉
脱原発に覚醒 
太陽光発電の先駆者
中国製の席巻
スプリント買収
ファーウェイへの疑惑

第三章 EUV――先端半導体製造技術の喪失
EUVの創始者
ジャパン・アズ・ナンバーワン
コンソーシアム
ASML
「コンコルド」

第四章 エルピーダ――「日の丸」半導体の破綻
DRAMビジネス
水平分業の波
日の丸プロジェクト
リーマン・ショック
「不本意な敗戦」

第五章 産業革新機構――成否をわけた業界再編
新自由主義者の息子
再生から革新へ
日の丸ディスプレー
ルネサス再生
ジャパン・バッテリー構想
JOLEDの破綻

第六章 ソニーとシャープ――垂直統合モデルの失敗
液晶とブラウン管
アクオスとクオリア
サムスンの追撃
鴻海の下克上
そしてソニーが残った

第二部
第七章 経済安保――自由主義経済の終幕
産業調査員
政策転換
仕掛け人
甘利明

第八章 TSMC――日本の先端産業を守る起爆剤
三一歳の発案
東大総長の訪台
極秘交渉
ソニーの伝言
半導体議連
現代の油田
「法律をつくってくれ」
熊本バブル

第九章 ラピダス1――IBMが持ち込んだ異次元の試み
OBの訪問
見果てぬ夢
IBMの思惑

第一〇章 ラピダス2――前代未聞の官製企業の誕生
ウクライナ侵攻
大臣の訪米
異形のベンチャー
思い出の土地

第一一章 ラピダス3――動き出したら止まらない
未来の工場
財務省の不安
インテルとサムスン
木に竹を接ぐ
万難を排して
後記

内容説明

かつて世界市場の5割を握った日本半導体の挫折から30年。エヌビディア、TSMC、サムスンと日本勢の差はどこにあったのか。復活を期し、「経済安全保障」の旗のもと新興企業ラピダスに兆円単位の国費を投入する官邸と経産省。国家を挙げた勝ち残り戦略。日本企業盛衰のドラマ―。ノンフィクション賞受賞作家の渾身作。

目次

第一部(レアアース―経済安全保障との遭遇;太陽電池―楽天主義の終焉;EUV―先端半導体製造技術の喪失;エルピーダ―「日の丸」半導体の破綻;産業革新機構―成否を分けた業界再編;ソニーとシャープ―垂直統合モデルの失敗)
第二部(経済安保―自由主義経済の終幕;TSMC―日本の先端産業を守る起爆剤;ラピダス1―IBMが持ち込んだ異次元の試み;ラピダス2―前代未聞の官製企業の誕生;ラピダス3―動き出したら止まらない)

著者等紹介

大鹿靖明[オオシカヤスアキ]
ジャーナリスト・ノンフィクション作家。1965年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。88年、朝日新聞社入社。2026年退社。主な著作に『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』(講談社、第34回講談社ノンフィクション賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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