私の謎―柄谷行人回想録

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  • サイズ 46判/ページ数 456p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065429334
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「私の謎」は「人類の謎」につながる――左翼だった父、戦後文学者たちとの出会い、くじ引きで決まったアメリカ滞在、建築から哲学までに至る世界的知識人との交流、ある日突然「やってきた」交換様式論……現代日本の批評・思想を代表する哲学者の人生を彩るさまざまな出来事を振り返る。 メモワールにして柄谷思想への最良の入門書。朝日新聞好評連載を大幅増補のうえ書籍化!

「このインタビューを読み返すと、驚きと感慨を禁じ得ない。自分がこれまでたどってきた道が、偶然の連続であったことに思いいたるからである。そのなかにいるときには気づかなかったが、振り返ってみたとき、人生を決めるのは偶然であるとすら思えてくる。 私は、小学校に入ってから二年間、教室で口をきかなかった。そのような引っ込み思案な人間が、偶然の出会いが重なるなかで、自然と、日本のみならず外国でまで、著作を発表したり教えたりするようになっていったのだ。それは、努力したり目指したりして、実現したことではなかった。いわば、「向こうから来た」ことだった。」(あとがきより)



【目次】

内容説明

「私の謎」は「人類の謎」につながる―。左翼だった父、戦後文学者たちとの出会い、くじ引きで決まったアメリカ滞在、建築から哲学までに至る世界的知識人との交流、ある日突然「やってきた」交換様式論…現代日本の批評・思想を代表する哲学者の人生を彩る様々な出来事を振り返る。メモワールにして柄谷思想最良の入門書。朝日新聞好評連載を大幅増補のうえ書籍化!

目次

人生を振り返る
「奇妙な」子ども時代―左翼だった父が無言で託したもの
高校までは夢のなかにいた
学生運動と年上の友人たち
試験勉強でつかんだマルクスの「本領」
「思想はいかに可能か」―初めての論考に現れる構造
落選がもたらした中上健次との出会い
語ることで見えてきた偶然の運命
文学は永遠だと思っていた―新人批評家時代
くじ引きで拓けたイェール大への道
ド・マン、デリダと語り合った日々
マルクスの周縁に見た可能性の中心
アメリカで生まれた『日本近代文学の起源』
小説が「読める」批評家―文学の潮目に立ち会った文芸時評
文壇から遠く離れて―演劇や建築との出会い
『内省と遡行』―外部を求めて
タイガーマスクで近所を歩き回った―神秘主義について
『探究』はクーデターだった
「宇宙人」浅田彰との共同作業―「批評空間」
中上健次の死、文学の弔い
小説は終わったのか―戦後文学の最後から見たもの
世界中から集まっていた知性―一度は決めた米国移住
バスのなかで、「向こうから来た」―交換様式の着想『トランスクリティーク』―移動しながらの批評の先に見いだしたもの
国家と資本への対抗運動NAM
『世界史の構造』―交換様式論の展開
近畿大と『必読書』
地震から考えた民主主義、そして柳田国男
交換が世界をつくる―『力と交換様式』
「私の謎」は「人類の謎」だった

著者等紹介

柄谷行人[カラタニコウジン]
哲学者。兵庫県生まれ。1965年、東京大学経済学部卒業。67年、同大学大学院英文学修士課程修了。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授などを歴任。2022年、バーグルエン哲学・文化賞をアジア人として初めて受賞

滝沢文那[タキザワブンナ]
朝日新聞文化部。1987年長野県生まれ。2011年、朝日新聞社入社。鹿児島や和歌山勤務を経て、文化部で、演劇や放送、出版を取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Sam

42
理解できているとはとても言えない一方、常人が考えつかないような着想、眩くるめくような鮮やかな論旨の展開、ダイヤのような硬質で透明な文体にそそられて、断続的ながらもおよそ40年に渡って著者の作品を読み続けてきた(積読本もたくさんあるけど)。本書は回想録ということで、作品からは伺い知れない言動やエピソードも多く、興味深く読むことができた。あれほど明晰でも、というか明晰だからこそ、思索における迷路にはまってしまったのであろうな。いずれにしてもこれからも少しでも長くご活躍いただきたい。次作も期待してます。2026/05/15

逆丸カツハ

32
あのインタビューこんなに分厚い本になったのか。おおらかな時代の空気を感じる(その時はその時で色々あっただろうが)。その空気にあてられて生きていたい。2026/04/28

踊る猫

28
実にスマートに、聞き手の滝沢氏は柄谷行人という批評家の活動を聞き手として整理する。ぼく自身ぜんぜん知らなかった幼い頃の思い出話から青春期、デビューの時期や盟友・中上健次との出会いなどなど……柄谷行人の思想の深度の深さに肉薄する読みというよりは初学の人間に向けてその深度をクリアな言葉で解説するスタンスが採られており、ぼく自身柄谷の批評はまったくと言っていいほど理解できていないので学ばされるところが多かった。柄谷という人は自身の思考をその時々に刺激を受けたものたちを媒介に、理論を増築してきた人なのだなと思った2026/04/27

Hiro

4
ずっと昔学生時代から気になっていながら今までつい読まずに来た作家。著作の数はどんどん増えて今では何から手に取ったらよいのか困るところを本書が丁寧に手ほどきしてくれた。書名のとおり幼少期からの読書や交友、そして特に著述を主とした回想記だから、主要著作の執筆の経緯、著者なりの意図、次作へのつながりなどがとても分かりやすく語られている。著者の多数の作品群を読み進めるための最高の入門書だ。それにしても、著者は難しい本を読んだり語学を習得したりするのが苦もなくできる人なのでしょうね、大谷みたいに。2026/06/09

ishii.mg

2
聞き手滝沢文那がいてこその構成。柄谷をいくつか読んできたときのぼんやりとした感想がかたちとなり示されているように感じた。 それにしても、柄谷センセイの記憶力の悪さには随所で笑った。ユーモアもあるのね。 たぶん未読の「世界史の構造」「力と交換様式」読んでみなくては。2026/05/14

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