講談社文庫<br> あなたにオススメの

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065416211
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

身体に埋め込んだチップで複数の娯楽を同時に楽しむ時代。子供達の将来の夢は「ええ愛」が大人気。完璧な等質教育で名高い保育園で、オフラインに拘るママ友の観察は最高のエンタメだった…。「推子のデフォルト」ほか、マンション最上階に住む家族を滑稽に描く「マイ・イベント」を収録。世界が注目する作家がえぐり取る最恐リアルな全2編!

スマホ依存、管理教育……私たちはどこへ向かうのか?
本谷有希子が愛用するAI・マルスラによる解説を収録。

「推子のデフォルト」
子供達を<等質>に教育する人気保育園に娘を通わせる推子は、身体に超小型電子機器をいくつも埋め込み、複数のコンテンツを同時に貪ることに至福を感じている。そんな価値観を拒絶し、オフライン志向にこだわるママ友・GJが子育てに悩む姿は、推子にとっては最高のエンターテインメントでもあった。

「マイ・イベント」
大規模な台風が迫り河川の氾濫が警戒される中、防災用品の点検に余念がない渇幸はわくわくが止まらない。マンションの最上階を手に入れ、妻のセンスで整えた「安全」な部屋から下界を眺め、“我が家は上級”と悦に入るのだった。ところが、一階に住むド厚かましい家族が避難してくることとなり、夫婦の完璧な日常は暗転する。





【目次】

推子のデフォルト
マイ・イベント

内容説明

身体に埋め込んだチップで複数の娯楽を同時に楽しむ時代。子供達の将来の夢は「ええ愛」が大人気。完璧な等質教育で名高い保育園で、オフラインに拘わるママ友の観察は最高のエンタメだった…。「推子のデフォルト」ほか、マンション最上階に住む家族を滑稽に描く「マイ・イベント」を収録。最恐リアルな全2編!

著者等紹介

本谷有希子[モトヤユキコ]
1979年、石川県生まれ。2000年「劇団、本谷有希子」を旗揚げし、主宰として作・演出を手がける。主な戯曲に『遭難、』(第10回鶴屋南北戯曲賞)、『幸せ最高ありがとうマジで!』(第53回岸田國士戯曲賞)などがある。’02年より小説家としても活動。主な小説に『ぬるい毒』(第33回野間文芸新人賞)、『嵐のピクニック』(第7回大江健三郎賞)、『自分を好きになる方法』(第27回三島由紀夫賞)、『異類婚姻譚』(第154回芥川龍之介賞)など。近年、著作が海外でも盛んに翻訳され、世界各地で出版されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

mayu

27
二編の物語に人間というものの内側をまざまざと見せられてる気がして最後まで目が離せない。「推子のデフォルト」は進化しすぎたデジタルに支配されたディストピア世界。情報が常に注ぎ込まれていなければ不安で落ち着かない、効率が重視されて個性が排除されていく姿に気づいたら今の世界だってこの先…と考えてしまう。うっすら漂う不気味さと狂気。おかしいと気づいた時にはもう遅いのかもしれない。「マイ・イベント」は自分優先で困ってる人に嫌がらせしたりして優位を感じる人間。二編それぞれに違う怖さを感じさせる一冊。2025/11/18

イシカミハサミ

15
「推子のデフォルト」「マイ・イベント」の2編から成る少し現実とはズラされた世界観の作品。 「マイ・イベント」は皮肉としては割とストレートな表現。災害も日常に訪れるアクセントのような捉え方、日常のなだらかさに耐えられない人々の話。 「推子のデフォルト」はそのまま“デフォルト”というものを突き詰める話。 主人公ともう一人の登場人物がかなり極端に立ち位置を変えて物語が進むのだけれど、妙な説得力があってかなりホラー。 村田紗耶香味もあるSFチックな作品だけれど、改めて“常識”を疑わない人間に対する恐怖が募る。2026/01/27

カキ@persicape

9
全2編。両編とも見開き1ページだけで主人公の嫌なところを5つ以上発見するという凄まじいスタート。『推子のデフォルト』はチップを体に埋め込んでしまう程にデジタルと常に繋がれる世界が舞台。こういう設定はアナログが善とされる事が多いと感じるが、作中の価値観に沿うようにレールを引いてくれる親切設定な話ではない。冒頭は意識高い系の嫌な主人公だなと思ったけど、ラストにかけてその気持ちが引っくり返される。2026/01/25

KG

5
イヤなもの見たさが刺激されたのか、ストレスから早く解放されたいと思ったのか、一気に読み終えた。二篇に登場する人たちは、どこかにいそうな人のエッセンスを集めて、煮詰めて、一人の人物に注ぎ込んだらこうなる、という感じ。極端なキャラ設定ではあるものの、彼ら彼女らが考えていることのいくつかは自分にも心当たりがあるので、全くの現実離れというわけではない。濃すぎるから胸焼けしてしまうだけ。ネット情報を盲信する人とテクノロジーを否定する人。徹底して準備する人と全くしない人。全方位に毒を撒き散らしている作品だった。2026/01/31

SAT(M)

4
「推子のデフォルト」はテーマ自体は古典的なディストピアSF的でありながら、登場人物の行動原理が現実のネット世界で日々行われている消費行動に酷似している、という点が古典には無い要素。この異質な世界は現実社会と地続きなのかもしれないと感じさせます。もう一編収録されているのですが、どちらも正気の視点から異端を見るのではなく、異端から異端を見る構造です。最初は“なんなんだこの主人公は⋯”と思っていたのに、いつの間にか肩入れしている。読むにつれどこがニュートラルなのかが分からなくなってくる読書体験でした。2026/01/22

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