出版社内容情報
認知症ケアの新しい技法として注目を集める「ユマニチュード」。
わたしたちが介護をするときに困ってしまう
認知症の周辺症状(妄想・暴言・不安・幻覚・不眠・徘徊・・・etc)は
認知症の方の不安な気持ちがきっかけになって発症します。
本書はわたしたちが見ている「今」ではなく
認知症の方が見ている「今」に飛び込み、
ご本人の不安な気持ちを取り除く技術を「介護シーン別」に徹底解説。
「お風呂に入ってくれない」
「食事を食べてくれない」
「20年前に定年退職した会社に出勤しようとする」
「同じ質問をなんどもしてくる」
など、今困っていることをピンポイントで調べ、対処法がわかる事典的な構成。
困ったときにすぐ調べられて、忙しい介護シーンでも使いやすい!
認知症になってから全く意思疎通が取れなかったお相手が、
かつての大好きだったご家族の姿を取り戻す。
それが「ユマニチュード」のケア技法です。
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【ユマニチュードとは何か】
●フランスで50年近く実践されてきた、“人間らしさ”を尊重するケア技法
認知症である前に尊厳のある人間に対する敬意を最重要視することを前提に、
「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの技術を大きな柱に、誰もが再現可能な技法としてまとめられました。
寝たきりだった認知症の方がユマニチュードによって立ち上がることができるようになるケースもあり、それは「まるで魔法」と表現されるほどです。
●効果が科学的に実証された
日本では2012年ごろから紹介されはじめ、NHK「あさイチ」など多くの番組で取り上げられました。
全国の医療施設・介護施設や地方自治体(福岡市)で導入され、効果が検証されました
(ユマニチュードで認知症の行動・心理症状が改善し、介護者の負担感が軽減することが証明された)。
【目次】
【Chapter1】 認知症の方が笑顔になる「ユマニチュード」4つの柱
・こんな困ったは「不安のサイン」
・ユマニチュード「4つの柱」
【Chapter2】記憶の仕組みとユマニチュードの役立て方
・私たちの生活は「記憶」で支えられている
・記憶は「五感」によって情報を脳に定着させている
・短期記憶(記憶は30秒しかもたない)
・脳の機能低下で起こる認知症の「中核症状」
・不安感によって引き起こされる「周辺症状」
【Chapter3】人生の「生活史」をケアに活かす
・思い出はケアの核になる
・手に取れる「好きなもの」を身近に置く
・ケアの強い味方になる身近なアイテム
・「生活史」ノートを作る
・基本的な情報のたずね方
・お話のきっかけは「思い出の場所」
・「生活史」ノート活用法
・「生活史」ノート作成の注意点
・不安を煽る言葉と行動
■ケース1 とっくに退職しているのに、「これから仕事に行く!」と出かけようとする
■ケース2 なんだかすごく怒っている
■ケース3 ぼーっとしていて、返事がない
■ケース4 とめどなく話し続けている
【Chapter4】認知症の方が笑顔になる言葉と話し方
・ケアの現場での「話し方」
・いきなり要件を切り出さない
・黙々と仕事をしない
・答えられない質問をしない
・相手の示した反応を見逃さない
・ネガティブな反応も一旦受け止める
【Chapter5】ケアの手順「ユマニチュード式」5つのステップ
[日常の困ったの解決策]
〈困った〉意思疎通が取れない
〈困った〉近くにいたのに驚くケース
〈困った〉すぐ怒る(暴言)ケース
〈困った〉暴力を振るうケース
〈困った〉被害妄想
〈困った〉同じことを繰り返し尋ねる
〈困った〉過去を今のように話す
〈困った〉どこかに行ってしまおうとする
〈困った〉家族のことがわからない
〈困った〉ご飯を食べてくれない
〈困った〉口腔ケア(歯磨き)ができない
〈困った〉入浴・脱衣・入浴介助
〈困った〉寝る準備
〈困った〉夜中に眠ってくれない
〈困った〉トイレ・排泄・オムツ替え
〈困った〉人の後をつけて歩き回る



