出版社内容情報
停泊地となる居場所を見つけること。
老いの過程を肯うこと。
戦争の記憶を引き継ぐこと。
青果市場の関係者や近所の人々が出入りする「いちば食堂」。そのひとはいつも同じ時間にあらわれ、テーブルに古い文庫本を広げては手帖になにか書きものをして過ごす。
9年ぶりの長編小説にして新たな代表作。
「食べてくれるひとの顔を具体的に思い浮かべて、よいものを提供したいという気持ちが、料理の味を決める。準備や技術を、愉しさ、喜ばしさが超えていく。賄いをつくるのが楽しいのは、ありあわせのものを使って、味覚をいかに喜ばせ、いかに食欲を満たすかを、そのつど現場で考え、すぐに試すことができるからだ。丕出子さんの反応は家族とまるでちがう。素直というような言葉では収まらない大らかさがあるのだが、笛田さんにはうまく説明できない。丕出子さんと食べるときは、食堂の空気ぜんたいを賄っているような気がするのだ。」(本書より)
【目次】
内容説明
青果市場の関係者や近所の人々が出入りする「いちば食堂」。そのひとはいつも同じ時間にあらわれ、テーブルに古い文庫本を広げては手帖になにか書きものをして過ごす。九年ぶりの長編小説にして新たな代表作。停泊地となる居場所を見つけること。老いの過程を肯うこと。戦争の記憶を引き継ぐこと。
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- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よこたん
36
“料理を食べてくれたひとからうまかったと言われるのは、じつにありがたく嬉しいことで、それが日々の仕事の励みにもなっている。そうとはっきり言われなくても、食べ方や店にきてくれる頻度からして、なにか役に立っているんだと想像して安堵することもある。” ゴルフ練習場と市場に挟まれた場所にある「いちば食堂」。店で働く人たちと訪れる客の、行きつ戻りつする思考と、静かに流れる季節と淡々とした日常とゆるやかな変化。ずっしり730頁のボリュームながらあっさりともたれない。時折出てくる賄いご飯が、とても美味しそうだった。2026/01/18
K1
20
登場人物たちの会話をカッコ付きで書いていったら、一体総ページ数が何ページの本になるんでしょうー登場人物たちの会話にその人の人柄が出ていて、話すことでどんどん人と繋がって、関係も深まっていく感じがよかったーちのやまのコンビ、最高(笑)。2026/01/04
kuriko
8
飯テロ!山野くんの胃袋が欲しい!それと丕出子さんの聞く力。阿見さんの暗算の能力・・・って、これは違うか。「渾身の棒球」など、覚えておきたい表現も沢山あって、阿見さんではないけれど、もいちど読み返して、ノートに書き留めておきたい気持ちになった。700ページをこえる一冊、やっと読み終えたばかりなのに。(汗)重かったので、腕力も鍛えられたんじゃないかと思う。(わりと本気でそう思っている。笑)積み重ねられていく物語を愛おしく読みました。(年内に読み終えられて良かった。)2025/12/29
Qfwfq
1
★5つ。2026/01/14
Yasuyuki Kobayashi
1
描写力に定評のある著者の700ページ越えの大作 期待して読み進めたが本が厚すぎ重すぎて読むのに難儀した。 鉤括弧を使わない会話文章を初めて体験したがすんなり読めて安堵した。 老齢に差し掛かる身としては複雑な内容である。2026/01/13
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