講談社文庫<br> 旅する小説

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  • サイズ 文庫判/ページ数 300p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065408582
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

出版社内容情報

さぁ、出かけよう! 「物語」という旅へ。

国境、日常、現実を飛び越え、行き先は無限大!
宮内悠介、藤井太洋、小川哲、深緑野分、森晶麿、石川宗生――。
最旬の作家たちが想像の翼を広げて誘う、魅惑のノベル・ジャーニー!


宮内悠介 「国境の子」
対馬から韓国まではわずか一時間。でも「ぼく」にはそれが遠かった。

藤井太洋 「月の高さ」
旅公演スタッフとして遠征中、あの日見た月が胸に去来する。

小川 哲 「ちょっとした奇跡」
自転が止まった地球。カティサーク号は、昼を追いかけ移動を続ける。

深緑野分 「水星号は移動する」
移動式の宿・水星。今日はどんなお客様と出会うのだろう?

森 晶麿 「グレーテルの帰還」
あの夏、最後の家族旅行での惨劇が、私の運命を大きく変えた――。

石川宗生 「シャカシャカ」
地表が突然シャッフルをはじめた!? 姉弟の生き残りをかけた旅が始まる。



【目次】

内容説明

日本と韓国。近いようで遠い距離を越えて、「ぼく」は父に会いに行こうと決めた(宮内悠介「国境の子」)。自転が止まった地球。昼夜の境目を進む船の若き乗船員マオには、小さな願い事があった(小川哲「ちょっとした奇跡」)―旬な作家たちが描くボーダーを乗り越える物語。(『Voyage 想像見聞録』改題)

著者等紹介

宮内悠介[ミヤウチユウスケ]
1979年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2010年に「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞選考委員特別賞(山田正紀賞)を受賞しデビュー。『盤上の夜』で第33回日本SF大賞、『ヨハネスブルグの天使たち』で第34回日本SF大賞特別賞、『彼女がエスパーだったころ』で第38回吉川英治文学新人賞、『カブールの園』で第30回三島由紀夫賞、『あとは野となれ大和撫子』で第49回星雲賞、『遠い他国でひょんと死ぬるや』で第70回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞

藤井太洋[フジイタイヨウ]
1971年奄美大島生まれ。2012年、ソフトウェア会社に勤務する傍ら執筆した長編『Gene Mapper』を電子書籍で個人出版し、大きな話題となる。『オービタル・クラウド』で第35回日本SF大賞と第46回星雲賞、『ハロー・ワールド』で第40回吉川英治文学新人賞、『マン・カインド』で第53回星雲賞を受賞

小川哲[オガワサトシ]
1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテストの大賞を受賞しデビュー。『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞と第31回山本周五郎賞、『地図と拳』で第13回山田風太郎賞、第168回直木三十五賞を受賞

深緑野分[フカミドリノワキ]
1983年神奈川県生まれ。2010年、第7回ミステリーズ!新人賞にて短篇「オーブランの少女」が佳作入選、2013年に短篇集『オーブランの少女』が刊行されデビュー

森晶麿[モリアキマロ]
1979年静岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞

石川宗生[イシカワムネオ]
1984年千葉県生まれ。オハイオ・ウェスリアン大学卒業。2016年に「吉田同名」で第7回創元SF短編賞を受賞。2018年に受賞作を含む短編集『半分世界』を刊行。2020年に『ホテル・アルカディア』で第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

はっせー

46
本書は旅をテーマとした6人の作家によるアンソロジー!私の推しの作品は小川哲さんが書いた自転が止まった地球の話。この話短編で終わってしまうのが惜しいくらい凝っている😂自転が止まった地球が舞台。自転が止まったことによって、ずっと夜な場所とずっと昼の場所が各所にできてしまい、灼熱と極寒な地になってしまう。そこで赤道にレールを敷き、昼の境目と夜の境目を追いかける2つの船があり、そこにしか人がいない状態。その2つの船で会えない男女の恋模様。その短編だけで、1つの長編を書いてほしいと思うほど完成度や世界観がすごい!2025/11/09

ほんメモ(S.U.)

10
宮内悠介さん、小川哲さんの作品が読みたくて手に取ったのですが、小川哲さんの『ちょっとした奇跡』は以前読んだ小川さんの短編集『スメラミシング』で既に読んだ作品でした(先に出たのはこの「旅する小説」の単行本の方だと思う)。そこがちょっと残念だったのですが、もう一度読みたいと思っていた短編ではあったのでまあいいか。個人的には宮内悠介さんの『国境の子』が一番良かったです。旅をテーマにしたアンソロジーだと思うのですが、どれも確かに移動は伴っているけれど旅って感じじゃない気が…。6編ともなんとなくSFっぽかったです。2025/09/19

宗蓮

6
旅がテーマの短編集。私はあまり旅をしたいタイプではない。しかし不思議なのは終わった世界や謎の星やらコロニー、一瞬後には周囲が切り取られどこそこに変わってしまうやはり世紀末世界。現実ではないそれら世界を見せられることで、ちょっとだけ行ってみたかった鳥取砂丘やら富山やら北海道を自分の目で足で歩いてみたいな的なことを思ってしまうこと。現実と遠いSFが、より旅欲を煽ることが不思議。小川哲「ちょっとした奇跡」深緑野分「彗星号は移動する」がお気に入り。2025/10/19

vivahorn

2
帯には「最旬の作家たちが旅をテーマに競作したアンソロジー」と書かれている。この最旬の作家たち6人のうち5人が有名なSF作家だった。この様なアンソロジーは必ず読んだことがある作品が紛れ込んでいるもの。しかし、しょうがない。忘れている作品もあるだろうから、復習も兼ねてサラっと読んで行こう。SF作家が「旅」と言えば、時間旅行、宇宙旅行が定番、全くつまらないと言うことはないだろう。まさか、普通の旅行小説なのか?と、ワクワクしながら読むのも一興だ。2025/10/18

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