講談社学術文庫<br> シャルコー 力動精神医学と神経病学の歴史を遡る

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シャルコー 力動精神医学と神経病学の歴史を遡る

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  • サイズ A6/文庫判
  • 商品コード 9784065407547
  • Cコード C0111

出版社内容情報

近代神経学の創始者ジャン=マルタン・シャルコー(1825-93年)は、パリ大学で学び、パリ医科大学の病理解剖学の教授を務めたあと、1882年にはサルペトリエール病院の神経病学の教授となった。同病院での膨大な臨床経験を通して神経学を確立したシャルコーの理論は、『火曜講義』と呼ばれる公開講義を通して知られるようになる。ヒステリー患者のパフォーマンスも行われたこの講義の様子は、アンドレ・ブルイエ(1857-1914年)の絵画(1886年)に描かれている。
カタレプシー、嗜眠、夢中遊行という三つの状態をたどる「大ヒステリー=大催眠理論」を打ち出したシャルコーは、精神病理の領域に催眠術を導入したことで知られ、その理論はジークムント・フロイトやピエール・ジャネのほか、ジョセフ・バビンスキー、ピエール・マリーらに影響を与えた。
本書の前半では、金曜日に行われていた『神経病学講義』を基にシャルコーの理論を概観し、さらにその生涯の事績を跡づけていく。その上で、後半では、医学を超えて思想や文学の領域にも見られるシャルコーの残響を見ることで、著者が「シャルコー的問題」と呼ぶものの広がりを示す。
「神経病学のナポレオン」あるいは「科学界の帝王」と呼ばれたこの知の巨人は、『神経病学講義』や『火曜講義』の全訳が存在しないこともあって、日本ではよく知られているとは言いがたい。生誕200年を迎える2025年、すでに定評を得た概説書である本書を、全面的な改訂を施した決定版として、ここに刊行する。

[本書の内容]
第一章 すべてはシャルコーからはじまる
第二章 男性ヒステリーとは?――『神経病学講義』より
第三章 シャルコー神経病学の骨格
第四章 大ヒステリー=大催眠理論の影響――フロイト、ジャネ、トゥーレット
第五章 シャルコーとサルペトリエール学派
第六章 『沙禄可博士 神経病臨床講義』――『火曜講義』日本語版の成立と三浦謹之助
第七章 シャルコーの死とその後
第八章 シャルコーと一九世紀末文化――ゴッホのパリ時代と『ルーゴン・マッカール叢書』
終 章 ヒステリーの身体と図像的記憶

文献一覧
あとがき
学術文庫版あとがき


【目次】

はじめに

第一章 すべてはシャルコーからはじまる
《サルペトリエールの臨床講義》/シャルコーとその講義録/『火曜講義』のおもしろさ/ヒステリーとはなにか
第二章 男性ヒステリーとは?――『神経病学講義』より
外傷性ヒステリーの男子事例をめぐる講義/シャルコーの大催眠理論/夢中遊行と「自我(moi)」
第三章 シャルコー神経病学の骨格
遺伝=変質理論/神経=筋、情動表出理論/自動症理論/動物磁気=催眠理論/ヒステリー理論/連合心理学/モラル・トリートメントと心的治療/神経学領域の研究
第四章 大ヒステリー=大催眠理論の影響――フロイト、ジャネ、トゥーレット
制御されざる身体/一〇〇年前の無食欲症/フロイトのヒステリー理論への影響/ジャネの夢中遊行と「語る主体」/ヒステリー、ラター、模倣/症例マドレーヌと「キリストの模倣」/シャルコー的視線とヒステリーの身体
第五章 シャルコーとサルペトリエール学派
シャルコーと第三共和制/当時のサルペトリエール病院と神経疾患の治療/シャルコー略伝/研究者、教育者としてのシャルコー/素顔のシャルコー(Charcot intime)
第六章 『沙禄可博士 神経病臨床講義』――『火曜講義』日本語版の成立と三浦謹之助
シャルコーの日本における受容と三浦謹之助/『沙禄可博士 神経病臨床講義』(佐藤恒丸訳)の出版/三浦謹之助小伝/三浦のその後の歩み/日本における大ヒステリーの例/鴎外の『魔睡』と三浦謹之助/三浦謹之助からシャルコーへの手紙
第七章 シャルコーの死とその後
一八九三年八月、シャルコーの急死/その後のサルペトリエール学派/シャルコー家の人びと/レオン・ドーデと『モルティコル』/ドーデ、シャルコー、フロイト/フロイトの白日夢と『ナバブ』/シャルコー『火曜講義』ドイツ語版とフロイト/レオン・ドーデとフロイトとの「再会」/付 記
第八章 シャルコーと一九世紀末文化――ゴッホのパリ時代と『ルーゴン・マッカール叢書』
イコンを書き換える/ゾラの『制作』とゴッホ/『獣人』/『ジェルミニー・ラセルトゥー』/シャルコーと芸術
終 章 ヒステリーの身体と図像的記憶
ヴィットマンの身体ふたたび

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あとがき
学術文庫版あとがき

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