出版社内容情報
あの家のわらしは、膨れで死ぬぞ。
――P集落に暮らす姉を訪ねた「私」が、土地神《べら》を祀る小さな社に毎日お参りをする姉の様子がおかしいことに気づく「べらの社」。山から集落におりてくる”人ならざるもの”を描いた「うず山の猿」「がんべの兄弟」。尊い《まる》の声を聞くためだけに、幼い子供が山の社にひとり閉じ込められる奇妙な因習「まるの童子」。さらに「密室の獣」「天神がえり」「拡散にいたる病」を加えた7編からなる連作短編集。
話題の伏線回収ホラー『撮ってはいけない家』著者の最新作。
今、振り向いてはいけない。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっちゃん
40
Kindle版『或る集落の●』を『P集落の話』べらの社・うず山の猿・がんべの兄弟・まるの童子として、新たに『密室の獣』『天神がえり』『拡散にいたる病』を収録した因習ホラー短編集。/『天神がえり』以外は再読だったが、すっかり内容を忘れていたため何ともいえない気持ち悪さと怖さに二の腕に盛大に鳥肌が…。少しリンクする部分に気付くとゾワゾワして、見えそうで見えない部分を想像してはまたゾワゾワ。ネタバレ回避で詳しく書けないけれど、おぞましくて不気味な因習ホラーは夏にピッタリ。2025/07/16
三編 柚菜
7
まずは、連作短編形式で綴られる『P集落の話』を堪能した。それぞれの短編──『べらの社』『うず山の猿』『がんべの兄弟』『まるの童子』には、怖くて奇妙で神経ごとぶるりと震えるような味わいがある。それらを統括して浮かび上がる戦慄もまた素晴らしい。単行本刊行に際して収録されるその他短編にもP集落の香りが漂っており、抜け出せない感覚に陥る。撮ってはいけない家で称された伏線回収ホラーの源泉を感じられるら夏にぴったりな一冊だ●2025/06/28
える谷
1
撮ってはいけない家の作者さんということで発売日に読みました…あまりにも怖い😭 怖いもの好きで、ホラー映画もホラー小説も今まで吐き気がしたり具合悪くなったことないのに、ところどころの描写でなぜかめまいがおきるくらい気持ち悪くなりました…。 因習ものが好きな方におすすめしたい…不気味で怖い夏にピッタリな作品でしたт т 2025/07/17
📖®🍵
1
え、怖すぎない?こんなに怖いことある? 詳細でありながら簡潔にするっと頭に入る文体のお陰か、情景がしっかりと頭に浮かんでしまうため、ただ文字の情報として認識するよりも数倍怖い。自分が体験しているような錯覚だったり、リアルタイムで掲示板の怖い話を追っているような、作品と現実の境界線があやふやになるような感覚で一気に読み終えました。 もちろんまだまだ深く咀嚼していく楽しみが残っているのも分かるし、出来る限り全ての恐怖を理解して戦慄し楽しみたいとも思う。2025/07/08
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