出版社内容情報
この街の光景を、僕と誰かが見つめていた――。
失踪した父が残したカメラを手に、僕は横浜の街を歩き始める。幕末の遊女の逃亡譚、焼失した二代目横浜駅、戦後の闇市と再開発……。街の歴史とささやかな生の軌跡が交差する、新鋭作家の飛躍作!
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
149
大学の後輩(しかも同じ学部)で埼玉県在住の島口 大樹、2作目です。本書は、私小説的な横浜幻想小説でした。大学の後輩なので応援したいとは思いますが、もっと売れそうな小説を書かないと、数年後には消えていそうな気がします。 二代目横浜駅が関東大震災で焼失していた事実を、本書で初めて知りました。 https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000416417 2025/08/05
konoha
40
淡々とした中に静かな熱を感じた。叔父が営むバーで働く将輝は父親の残したカメラを手にその足跡をたどる。横浜、野毛の空気感がよく出ている。個人的に母娘のテーマに疲れたので、父親と息子の関係性に焦点を当てたところに好感を持った。ファインダーを覗く事で父親の思いを知る感覚はわかる気がする。漂うように生きる将輝に対し、ダンスをする橘が躍動的で良い。カメラが撮らなかったもの、選ばなかった未来。どちらも存在している。作者は若いので、もっと荒削りのパワーがあってもいいと思う。2025/08/09
uniemo
11
著者の作品は2作目。自分には親しみのある横浜の街並みを描写していくので前読んだ作品よりは読みやすいけれどわかりやすいというわけではなかった。嫌いではないので多分次作も読むと思います。2025/08/10
もと坊
2
若い感性だが、熟れつつ在るモノの見方の共存。今回描写や歴史も挟みつつ進む為、読むというより世界を共に積み重ねていく感覚。そして少し救われた。 頁は少ないが、サラッと流さず腰を据えて向き合って欲しい本。然し好みが非常に分かれそう。個人的には大好物。出逢えて嬉しい。2025/09/13
きなこあん
2
芥川賞候補なったことがある島口氏の作品ということで読んでみた。横浜の風景・歴史そして記憶を味わうそんな作品。 ストーリー物が好きな私には物足りなさがあった。2025/09/10
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