講談社現代新書<br> 物語化批判の哲学―“わたしの人生”を遊びなおすために

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講談社現代新書
物語化批判の哲学―“わたしの人生”を遊びなおすために

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  • サイズ 新書判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065399644
  • NDC分類 104
  • Cコード C0210

出版社内容情報

物語はなぜ苦しいのか?「物語」が過剰に要求される現代社会で、「人生とはかくあるべきだ」という押しつけに抗う。
新進気鋭の美学者による「次世代の哲学」。

【推薦の声、続々!】
〇永井玲衣氏(哲学者・『水中の哲学者たち』『世界の適切な保存』)
わたしたちは何のために哲学するのか。
それは、もっと世界に出会うため、もっと広々とした場所に行くため、もっと可能性にめまいをおぼえるためなのかもしれない。難波さんは、考えれば考えるほど、自由になっていくみたいだ。

〇田村正資氏(哲学者・『問いが世界をつくりだす』「あいまいな世界の愛し方」『群像』)
ずっと、アイデンティンティを見つけなければと思っていた。
でも、アイデンティティという名の物語に囚われていただけだったのかもしれない。難波さんの本はそんな僕に「世界を見くびるな。そこから出てこい!」と語りかけてくれる。

【抜粋】
清涼飲料水の広告の少女はいつもドラマティックな青春を謳歌しているし、「推し」はファンの期待した筋書きどおりに振る舞うし、就活面接では挫折経験を「美談」として語らねばならない。
私は端的にこう思う。何かがおかしい、と。

人々はあまりにも強い物語の引力に引き寄せられて、もはや物語に支配されつつあるのではないか、と私は危惧し始めた。
だから、私はこれから、物語に対抗したいと思う。何かしらの物語が私たちの幸福を奪うのだとしたら、もはやそんな物語は廃棄されるべきだろう。私はよき物語を愛している。それゆえ、物語を批判したいと思う。愛するということは、支配されるわけでもなく、支配するわけでもなく、独特のバランスのなかで惹かれ合い、反発し合うことなのだと考えている。

第一部の「物語篇」では、物語化の持つ魔力と危うさを論じていく。第二部の「探究篇」では、物語の危険を避け、物語を相対化できるような思考を「遊び」を手がかりに探索していこう。その中で、改めて物語との向き合い方がみえてくるはずだ。
物語化批判、そして、遊びの哲学を始めよう。

【内容紹介】
〇 誤解を生む「自分語り」(第1章 物語批判の哲学)
〇「感情的だ!」という批判をする人こそ、実はもっとも「感情的」(同上)
〇 アイデンティティは服のように「着替えられる」(同上)
〇 人生を「攻略」しようとする人が陥る「視野狭窄」(第2章 ゲーム批判の哲学)
〇 なぜ人は「考察」と「陰謀論」にハマってしまうのか(第3章 パズル批判の哲学)
〇 真のギャンブラーが欲しいのは「お金」ではない(第4章 ギャンブル批判の哲学)
〇 残酷だけど創造的な「おもちゃ的生き方」(第5章 おもちゃ批判の哲学)


【目次】

序章 人生は「物語」ではない

▼物語篇――物語の魔力と危うさ
第1章 物語批判の哲学
1 他人を物語化することは正しいか
2 自分語りの罠
3 感情と革命
4 キャラクターをアニメートする

▼幕間――物語から遊びへ

▼探究篇――物語ではない世界理解
第2章 ゲーム批判の哲学
1 人生はゲームなのか
2 ゲーム的主体と力への意志
3 競争しながら、ルールを疑う

第3章 パズル批判の哲学
1 陰謀論と考察の時代
2 パズル化するポストモダン
3 答えなき、なぞなぞとしての世界

第4章 ギャンブル批判の哲学
1 人はなぜギャンブルに飛びこむのか
2 ギャンブラーが生きる「現実」
3 ギャンブル的生の解放

第5章 おもちゃ批判の哲学
1 原初、世界はおもちゃだった
2 すべてを破壊する「おもちゃ遊び」
3 遊び遊ばれ、ニルヴァーナ

終章 遊びと遊びのはざまで

あとがき
参考文献
さらに考えたい人のために ブックリスト

内容説明

「何者かになりたい」は呪いだ。人生は、物語ではない。「人生とはかくあるべきだ」という押しつけに抗う新進気鋭の美学者による、あまりに新鮮な「次世代の哲学」

目次

序章 人生は「物語」ではない
物語篇(物語批判の哲学)
幕間 物語から遊びへ
探究篇(ゲーム批判の哲学;パズル批判の哲学;ギャンブル批判の哲学;おもちゃ批判の哲学)
終章 遊びと遊びのはざまで

著者等紹介

難波優輝[ナンバユウキ]
1994年、兵庫県生まれ。神戸大学大学院人文学研究科博士前期課程修了。美学者、会社員。立命館大学衣笠総合研究機構ゲーム研究センター客員研究員、慶應義塾大学サイエンスフィクション研究開発・実装センター訪問研究員。専門は分析美学とポピュラーカルチャーの哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこ

88
おもしろかった。著者は31歳美学者。容姿端麗、頭脳明晰にしてオタクでもある…素晴らしい。ヘタリア、弱キャラ友崎くん、STEINS;GATE、賭ケグルイなど引用するアニメも私好みばかり。私たちは自分のこれまでの話をするのは好きだ。また、小説、映画などで安全な所から理解と学び、情動を得るのも好きだ。私もそう思う。しかし厳しい言葉もあった。人生は物語ではない。目的などもたない。不幸は単に不幸であり、幸福な単に幸福であると。人は物語に影響を受けるのではなく物語を「使って」情動を抱くのだともあった。…うん哲学的だ。2025/08/23

ころこ

45
物語を拒否して物語に対抗する方法を模索するのだが、「物語」が何を指しているのかが良く分からない。「共有」することに過剰なコミュニケーションを相手が拒否することはモラハラとして非難され、エビデンスの切り取りを相手とのコミュニケーションを切断しマウントをとるといって非難される。したがって今が物語過剰な時代とも限らない。そもそも物語を拒否して物語に対抗する、というのも物語だろう。物語とは文脈を相手に合わせるための手段であり、ノンフィクションであっても継起的な文章を理解させる行為には物語は付き物だ。そこで物語批判2026/01/12

踊る猫

40
歯切れのいい文章・論理展開で読ませ唸らせる。そして結論も同意したい。ただ、そこにいたるまでのプロセスに個人的に疑問を持つ。そもそも「物語」とはなにか。イデオロギーなのかそれともバイアスなのか、その部分がはっきりしていないのでなんでも代入可能なものになっている気がしなくもない(著者はそうした無節操をきちんと回避しているが)。またリアルの物語とSNSで触れる物語のあいだには紙一重であれ差異がありはしないかも気になるし、キャラクターと物語の関係ももうすこし洗い直せる。ここからスリリングな議論をはじめたいと思った2026/01/01

小太郎

37
この本は題名と帯の甚句に惹かれて買いました。以前読んだ「ストーリーが世界を滅ぼす」が物語の持つ暗黒面を見事に切り取った良書だったので、そのラインの本だと思いましたが、確かに初めの方は現代では物語が過度に自分探しなどを強制して私たちを支配しようとしているなど。少しは読ませるんですがどうも意味の分からない(私だけかも)引用やら話の展開が曖昧で?な感じがします。哲学というより自分はこう思ってるんだけどという覚書、それもちょっと杜撰かなと感じました。★2.52025/11/03

特盛

33
評価3.3/5。物語が私たちや社会に与える影響は非常に大きい。人間の感情を刺激し、連帯を促す。自分にも何かになり切ったり、何かを伝える際にストーリーに乗せて伝えたりと身近な存在だ。著者は物語の力を認める一方、その弊害も指摘する。自己像の硬直性をもたらしたり、感情理解の方法を狭めてしまうこと、などの理由で人生に過度な解釈を求めることを警告する。確かに論点としてはあるなと思う一方、正直そこまで今ここの自分にとっては問題なのか?と咀嚼は今後も必要だなと思った。2025/12/30

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