講談社現代新書<br> 宮内庁長官―象徴天皇の盾として

個数:
電子版価格
¥1,155
  • 電子版あり

講談社現代新書
宮内庁長官―象徴天皇の盾として

  • ウェブストアに445冊在庫がございます。(2025年08月11日 04時37分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 新書判/ページ数 288p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065398036
  • NDC分類 317.21
  • Cコード C0231

出版社内容情報

 戦後の日本国憲法下では天皇は政治的権能を失い、側近が政治的影響力を及ぼすことはなくなった。内大臣は廃止され、侍従長も純粋な天皇の秘書役となる。侍従職は御璽・国璽を管理するが、天皇の国事行為に関与することはありえなくなった。オクはまさしく政治の舞台から退場し、宮中の奥に収まったのだ。
 (中略)
 敗戦後しばらくは天皇に反発する国民も少なくなかったが、世論の大多数は天皇制を支持した。政治的権能は失ったが、精神的権威としての天皇は存続した。天皇は戦後の日本社会でも大きな存在でありつづけた。昭和の戦前戦中期に軍などの勢力にその権威が利用されたように、日本国憲法の下でも内閣その他の政治勢力によって天皇の権力(形式的ではあるが)と権威が利用される危険性は残ったのだ。
 昭和の亡国の歴史をくりかえさないためにも、天皇の政治利用は絶対に阻止しなければならない。ある特定の政治勢力に利用されていると国民が受け止めれば、国民統合の象徴としての信頼と権威は瓦解し、天皇制の存続も危うくなる。
 そのための「盾」として、重要な役割を担うことになったのがオモテを仕切る宮内庁長官である。宮内庁は内閣の下にある官庁だが、天皇を政治的、恣意的に利用しようとする動きがあれば、内閣といえどもその指示に抵抗しなければならない。ある局面では政府から超然とする必要があり、その気概が求められる。宮内庁長官はむずかしい職務である。
 (中略)
 象徴天皇制での宮内庁長官は2025(令和7)年初めの時点で歴代10人を数える。
 (中略)
 象徴天皇制が実施されておおよそ80年。この間に生じたさまざまな課題にたいして、各時代の長官はどう対処してきたのか。それを俯瞰することで、象徴天皇の形成過程とあるべき姿が浮かび上がってくると思う。(プロローグより)

内容説明

国民の「敬愛と信頼」を維持し、政治との距離を保ち、ロイヤルファミリーの結束と行く末に目を配る…。この難事にどう立ち向かったのか。天皇の胸の内、政治家の思惑、そして国民の感情…。板挟みとなって煩悶してきた歴代10人の奮闘記!「象徴」の知られざる形成過程と戦後日本のあゆみを、あの「富田メモ」をスクープした著者が明かす。

目次

プロローグ―「公僕」と「皇僕」のあいだ
第一章 戦争―責任、そして慰霊と記憶
第二章 象徴―八十年にわたる「宿題」
第三章 政治―「皇室の盾」か、「内閣の一部局」か
第四章 家族―「三太夫」の限界
第五章 代替わり―新儀は未来の先例
第六章 対話―書き残されたもののゆくえ
エピローグ―皇室を人間的空間にすべきとき

著者等紹介

井上亮[イノウエマコト]
ジャーナリスト。1961年、大阪府生まれ。全国紙記者として皇室、歴史問題などの分野を担当。元宮内庁長官の「富田メモ」報道により2006年度新聞協会賞を受賞。2022年度日本記者クラブ賞を受賞。2024年4月に新聞社を退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りらこ

20
菊のカーテンを開け閉めした長官。彼らが昭和天皇に戦争について語らせなかった。皇僕としては正しいのかも、しかし昭和天皇の口から戦争責任についてどう思っているのか話すべきだった。安倍政権からやはり様々なことがおかしくなっていった。政治利用ばかり。平成時代に感じていた違和感は正しかった。昭和天皇についての記述が興味深い。長官の日記は処分すべきではない。開示は同時代ではなくて良い。歴史的な価値を優先すべきかと思ってしまった。読み応えある新書。2025/07/30

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

18
▼著者はジャーナリストで元日本経済新聞の記者▼戦後、新憲法のもとで天皇の役割と宮内庁長官の職務が大きく変化した。本書では、現憲法下で長官が政府と天皇の間で試行錯誤しながら取り組んできた苦悩の歴史が語られている▼皇位継承に関する難題を抱える現状において、長官が果たすべき役割についての提言も記されている▼長官は内閣の下にありながらも天皇を政治的に利用しようとする動きに対しては抵抗し、天皇と他の皇族との間で板挟みとなり苦しんだ事案もあったりと、その特殊な役割も紹介されている。興味深く読み進めることができた。2025/07/05

CTC

13
5月の講談社現代新書新刊。著者は元日経“富田メモ”発掘のエース記者だ、昨春定年退職し現在はフリーという。 さて宮内庁長官は初代田島道治から数えて歴代10人しか居ない。延61回首班は代わっているのだから、比較すればその存在が特異であると判ろう。「本当の公務ではなく、いはば皇室という御家庭の三太夫式の仕事がある」、長官を24年以上務めた宇佐美毅の言葉だ。生身の人間が相手であるからこそだが、宮内庁長官の事績を追えば戦後史と天皇制の未来がみえるというのが企画意図だ。当たり前だが、未来は簡単ではないでしょう。2025/07/09

hideto

9
宮内庁長官、よく役職として耳にするものの、どんな仕事をしているのか、イメージが沸かず。どんな役職なのかを知りたくなって手にしたのがこの本です。戦後から色んなことがあり、歴代長官も大変だったことがよくわかりますが、取り分け昭和から平成にかけての各行事が一番ではなかったかと。そして、今の課題は将来を見据えた皇位継承問題。難問が立ちはだかる中、宮内庁長官がどう取り組んでいくのか注目したいと思います。2025/08/03

KEIJI

7
“かつて戦争責任追及や政治利用の圧力から盾となって天皇、皇室を守ってきた宮内庁長官だが、いま対峙しているのは理性が通じない闇のようなネット言論と、それに触発されて天皇制への意識がどのように変化するかわからない国民そのものなのかもしれない。「守護者」としての宮内庁と長官のこれからの役割は、伝統を重視しながらも時世に合わせた皇室の人間空間の創出と演出であろう”2025/08/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22624697
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品