出版社内容情報
壮年の男女と元教師が四十年ぶりに修学旅行を再現した同窓会を企画する。
行き先は濤海灘に浮かぶ弥陀華島、別名星見島とも言われる離島。
宴席で久我陽一郎は、当時自分たちの高校をモデルにミステリを書いていたと告白する。
その夜、宿泊先で久我の死体が発見される。
折悪しく荒天のため、船が運航できず、天候が回復するまで捜査員は来られない。
宿にとどまった七人は、一夜それぞれの思いにふける……。
彼ら一人ひとりが隠している真実は、事件の全容をあきらかにするのか──。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鰹よろし
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何者かになろうと足掻いていた名も無き者たち。かつては名前も知らなかった同士たち。今というしがらみから逃がれたいと希求した先にはかつて必死に抗おうと藻掻いていた何か。今という状態へと至る記憶に別の輪郭が帯び始めていく共に揺らいでいく現実感。私は今どこに・・・なぜ今ここに・・・いったいどうして・・・あぁ2025/08/16
c3pomotohonzuki
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同窓会で訪れた修学旅行の思い出の離島で、一人が死んだ。 章ごとに視点が変わり、各自の抱える事情、過去の記憶が事件以上に語られる。 事件の謎よりも、仲の良さそうな彼らの内面の噛み合わなさやすれ違いの温度差がメインだった。 「心はすでに島の外にあった」2025/08/12