出版社内容情報
この世は、すべて幻なのです。
現実なんてものはない。
ただ、映っている影だけが見える。
そうではありませんか?
薔薇のパーゴラのある家で、「彼女」は支配的な夫と家政婦と静かな三人暮らしの日々を送っていた。
夫が紹介する英語の家庭教師として、下宿人として、彼女の庭を、彼女の夢を、訪れては去ってゆく男たち。
彼らの死という現実を手放し、幻想とのあわいに生きるうちに、
彼女の心はゆっくりと静かに、躰から離れていく。
比類なき幻想恋愛小説。
内容説明
薔薇のパーゴラのある家で、「彼女」は支配的な夫と家政婦と静かな三人暮らしの日々を送っていた。夫が紹介する英語の家庭教師として、下宿人として、彼女の庭を、彼女の夢を、訪れては去ってゆく男たち。彼らの死という現実を手放し、幻想とのあわいに生きるうちに、彼女の心はゆっくりと静かに、躰から離れていく。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
作家、工学博士。1957年12月生まれ。名古屋大学工学部助教授として勤務するかたわら、1996年に『すべてがFになる』(講談社)で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。以後、続々と作品を発表し、人気を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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kaoriction@本読み&感想 復活の途上
16
「彼女」のもとを、訪れ、去ってゆく男たち。彼らの死は夢か現か。それとも、彼女自身が幻なのか。見ている影は。「神様から命をお借りして、この死というものを体験させてもらう。そんなツアーを、人生と呼ぶのだ」。気づけばやはり独特な森ワールド。死をもって借りた命をお返しする。自分が生きているのはまだ借りが残っているからなのだ。焦る必要はない。ひとつずつ丁寧にお返ししてこそ、なのかもしれない。そう思うと、自分のこのツアーも幾分軽く、楽しくなってくるような気がしなくもない?それは彼女の影?谷崎潤一郎没後50年記念作品。2025/08/03
yuui
15
森先生の相変わらずの表現力の凄さよ! このダイレクトに言葉が伝わってくる感じ好きすぎる(/ω\*) このなんとも心地がいい不思議な読後感よ! ほんとに不思議。 神様から命をお借りして、この死というものを体験させてもらう。 そんなツアーを、人生と呼ぶのだ。 誰がこんな文章思いつくん😳 「死」を自殺、殺人、病死、と色んな表現でこんな魅了させられるんや!って思える素敵なお話でした 2025/06/21
Tenouji
7
今、なんとなく読みたくない内容だったので、流してしまう。2025/07/30
ソラ
6
【読了】D+ 10年前に読んでいたことをすっかり忘れて初見のように読んだ。不思議と引き込まれる静謐な文章。2025/06/23
TAMA
5
2025年39冊目。2025/07/31