出版社内容情報
登場人物全員、偽善者。
読んだら”人間不信”になる、エゴイスティック・ミステリー!
幸せ絶頂の結婚披露宴のさなか、新婦・沙也香が吐血して倒れてしまう。カメラマンの桜庭によると、シャンパンに毒が混入していたようだ。
犯人捜しに乗り出す新郎・和臣と桜庭だったが、容疑者である彼女の親友や母の偽善ぶりが次々と明らかになり、さらに沙也香のどす黒い過去も見え隠れして――。
内容説明
幸せ絶頂の結婚披露宴のさなか、新婦・沙也香が吐血して倒れてしまう。カメラマンの桜庭によると、シャンパンに異物が混入していたようだ。犯人捜しに乗り出す新郎・和臣と桜庭だったが、容疑者である彼女の親友や母の偽善ぶりが次々と明らかになり、さらに沙也香のどす黒い過去も見え隠れして―。「善意」とは何かを痛快に抉り取る、新感覚のエゴイスティック・ミステリー!
著者等紹介
夏原エヰジ[ナツバラエイジ]
1991年生まれ。上智大学法学部卒業。2018年「Cocoon」で第13回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞。同作を改題した『Cocoon 修羅の目覚め』で翌年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
58
カメラマンとして結婚式に参加していた桜庭。 だが新婦が吐血して倒れる。 シャンパンに毒が仕込まれており、新郎の和臣は何とか犯人を突き止めようと桜庭に協力を仰ぐ。 冒頭の結婚式から不穏な空気はあるが、それは各人のエゴになって出てくる。 登場する人物がほぼ例外なく嫌な奴であり、いちいち引っかかる言動が現れる。 まあラストは予想できるが、これはイヤミスというよりは、登場する全員がいかれた奴らばかりだったという話でした。2025/05/13
シャコタンブルー
55
「あなたのためだから」入社直後に当時の上役からそう言われて心中で激しく反発したことを思い出した。こんな言葉を発する人は絶対信用できない(笑) 質が悪いのは善意による正義の行いだと当人が妄信していることだ。華々しい結婚式から一転する吐血事件から始まる面白さ全開のノンストップミステリーを楽しんだ。新郎新婦、家族、友人知人、カメラマン等登場人物全てが怪しい。全員どこか胡散臭い(笑) エゴまみれの善意と率直な悪意が入り乱れて人間の本性が暴きだされる。優しさの裏側に潜む悪意を見抜くのは難しいのかも知れない。2025/05/21
さちこ
43
イヤミスって酸いも甘いも噛み分けた年齢にならないと書けないんだと思う。小説よりも実際の人間の方がずっとずっと怖いもの。2025/04/16
sayuri
40
「あなたのためだから」この言葉に胡散臭さを感じるのは私だけだろうか?夏原エヰジさん、本作もリーダビリティ抜群。読んでいて心地良さは皆無だが、イヤミスへの振り切り具合が半端なく一気に読まされる。結婚披露宴の最中、新婦・沙也香が吐血して倒れた。彼女のシャンパンに毒を入れたのは誰?犯人捜しに乗り出した新郎だが、徐々に見えて来る人間の本性。タイトルの言葉の裏に潜む偽善と自己満が発覚する度に人間不信に陥っていく。私の周りは大丈夫?と、読後きっと誰もが疑心暗鬼に駆り立てられるはず。途轍もなく嫌な話だが心をエグられる。2025/04/06
iku
18
登場人物全員に好感が持てなかったが、そもそもいい人、悪い人って何を基準に判断するのだろうか、世の中には純度100%の善人なんていないだろうと改めて思わされた。善意の人であるように見えていても、その人の本性なんて誰にも分からず、その肚のうちでは無自覚のうちに黒い感情が渦巻いているかもしれないし、人それぞれ自分の正義というものがあって思い込みの善意によって個人の正義はますます正当化され時に暴走したり悦に入ったり、またそれを利用して強かに生きている人もいたり、人間関係の複雑さと難しさをまざまざと感じ読み疲れた 2025/04/20
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