講談社文芸文庫<br> 軽いめまい

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講談社文芸文庫
軽いめまい

  • 金井 美恵子【著】
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  • 講談社(2025/01発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784065381410
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

郊外の住宅地にある築七年の中古マンションで、夏実は夫と小三と幼稚園児二人の息子と暮らしている。専業主婦の暮らしに何といって不満もなく、不自由があるわけでもない。けれど蛇口から流れる水を眺めているときなどに覚える、放心に似ためまい――。
1990年代の東京。「中産階級」の変わることのない日常? 2023年にポリー・バートンによって英訳され、ニューヨークタイムズやアトランティック誌で書評されるなど話題となった。
生活という日常を瑞々しく、シニカルに描いた傑作中編小説。


ケイト・ザンブレノ
「あまりに退屈で売春を始める主婦たちの話が気の利いた挿話として登場するように、たとえばブニュエルの、たとえばゴダールの、たとえばシャンタル・アケルマンの、売春する主婦たちについてのあらゆる映画への目配せがこの小説には見られるのだが、ただしこの小説の中では何も起こらず、退屈そのものがポイントで、じゃがいもの皮はただ剥かれ、皿はただ洗われ、けれど時々、ほんの時折、家事にまつわる瞑想的な瞬間、クラクラするような、あるいはぼうっとするような感覚がふと訪れることがあり、たとえば洗い物をしているとき、蛇口から紐のように絶え間なく流れ出す水や、流れていく水のきらめきに心を奪われてしまう、それこそがポリー・バートンによって「軽いめまい(ルビ:マイルド・ヴァーティゴ)」と訳出された感覚で、この言葉は小説の八番目のセクションのタイトルにもなっている。」
 「解説」より

内容説明

一九九〇年代の東京。郊外の住宅地にある築七年の中古マンションで、夏実は夫と幼い二人の息子と暮らしている。専業主婦としての生活に不満があるわけではない。「中産階級」の変わることのない日常にひそむ、放心に似ためまい。二〇二三年に英訳され、ニューヨーク・タイムズ紙やアトランティック誌で書評されるなど英語圏でも話題となった。生活という現実を瑞々しく、シニカルに描いた傑作中篇小説。

著者等紹介

金井美恵子[カナイミエコ]
1947・11・3~。小説家。高崎市生まれ。1967年、19歳の時に「愛の生活」が太宰治賞候補作となり、作家デビュー。翌年、現代詩手帖賞受賞。小説、エッセイ、評論など刺激的で旺盛な執筆活動を続ける。小説に『プラトン的恋愛』(泉鏡花賞)、『タマや』(女流文学賞)など多数。またエッセイ集も多数刊行している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ジョンノレン

44
正直既に多くの著作と受賞歴もある方とは知らず、その利発で止めどなく溢れ出る、ごく日常的で具象的な写実描写に混じる程良い感情の起伏と絶妙にさりげなく着地しまた歩むという不思議な語り口に吸い込まれる。かなりの高齢ながら若々しい感性が光り、もっとずっと若い作家かと見紛う。ただ「猫騒動」で整形美人にまつわり例示された歌手の名前が諸に昭和なのには笑ってしまった。読み返すと古めの形跡はそこここに。果てしなく読点のみで繋がれる文章に違和感なく、想念の絶妙な言語化に舌を巻く。ただ気を付けないと読む方が過呼吸気味になる。2025/06/05

R子

17
専業主婦の憂鬱と退屈に倦む日々が綴られる。大きなドラマは起きない。主人公は、環境や価値観の違いからくる微妙なズレを呑み込みながら、周囲の人たちとの関係性を繋ぎ続ける。平穏だが居心地は悪く、それでも何処にも行くことが出来ない閉塞感に囚われていて、、。本作は2023年に英訳、NYタイムズ紙等で書評が掲載され話題に。本書では巻末にケイト・ザンブレノ氏の書評エッセイが掲載されている。国外ではどのように読まれているのか気になって手に取ったが、1番印象に残ったのは猫のたたり(ホラー挿話)、、!2025/02/22

ザビ

13
「専業主婦の妻ともなれば誰もが何も考えず、当たり前のこととして夫の下着を洗濯する存在だと決まっていて」「毎日毎日やらなければならない単調な家事は、やってもやってもいつ果てるとも知れない繰り返しのシーシュポスの労働めいていて」専業主婦の欲求不満をツラツラ綴っただけの日記?…と一定数は感じるかもしれない。ただ見方を変えると、専業主婦そのものが異様なほど没個性な生き方を当然のように強いられていて、その不条理を淡々と浮き彫りにした小説、とも言える。何気ない日常の場面に異様さをサラリと挿し込んでくるテンポが見事。2025/04/03

かすみ

1
主婦の代わり映えのない生活の中で起こる軽いめまい。もっともっと長く永遠に続くような主婦の生活をみたかったけど結構すぐ夏実出てこなくなっちゃった。金井美恵子が読みたくて買ったのに2100円もするのに作品自体は半分すこしくらいで金井美恵子に啓発されたであろう英訳者の解説(というタイトルではあるが実際は作品)とか年表が長くてちょっと栄養不足。2025/05/22

ルミ

1
旧文庫もkindle版も持っているが、海外で英訳版が話題となりケイト・ザンブレノの巻末解説付きで文芸文庫から新たに刊行されたので再読してみた。解説というより金井美恵子にインスパイアされた文体で、子育て中の女性作家の日常が綴られたエッセイ(「群像」2024年8月号掲載)。この金井美恵子の中編小説のどこが海外の女性たちの心をとらえ、どのように読まれているのか不思議な気持ちになる。そういえば10代のデビュー作「愛の生活」でも、蛇口から流れ出す水道の水で皿を洗うのは一瞬の放心の時だと書かれていたな。2025/02/19

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