講談社選書メチエ<br> 異教のローマ―ミトラス教とその時代

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講談社選書メチエ
異教のローマ―ミトラス教とその時代

  • 井上 文則【著】
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  • サイズ 46判/ページ数 264p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065380079
  • NDC分類 168.9
  • Cコード C0322

出版社内容情報

世界がキリスト教化する前、ローマ帝国は伝統的なギリシア・ローマの神々に加え、オリエントの神々、さらにはキリスト教、ユダヤ教の一神教に至るまで多彩な信仰や宗教で賑わっていた。そのなかでひときわ勢力を誇ったのがミトラス教である。
キリスト教最大のライバルとまで言われながらも消滅したこの宗教の実態は、文献史料の乏しさゆえに今も謎に包まれている。最新の発掘成果や研究を踏まえつつ、その全体像に迫る。
なぜミトラス教は帝国の数ある信仰のなかで隆盛し、そしてキリスト教に敗れたのか――。
壮大なスケールで異教にぎやかなりし帝国の姿を描き、ヨーロッパ世界の深層を照らし出す。

「もしキリスト教が何らかの致命的疾患によってその成長を止めていたならば、世界はミトラス教化していただろう」。19世紀フランスの宗教学者エルネスト・ルナンはこのように述べて、キリスト教最大のライバルとしてミトラス教を名指しした。
ユピテルやマルスなどの伝統的な神々にエジプトのイシスやアヌビス、小アジアのキュベレアッティスなどのオリエントの神々、さらに一神教のキリスト教、ユダヤ教に至るまで、数多くの信仰で賑わった異教時代のローマにおいて、なぜミトラス教は信仰を広めることができたのか。そして、なにゆえキリスト教に敗北したのか――。
古代オリエントの神々のなかでも例外的に広く東西に伝わったミトラ(ミスラ)の存在は、中央アジアを越えて日本にも伝播しており、平安貴族に日記としても使われた具注暦にその痕跡を残している。
この古代オリエント、ヘレニズム時代に始まるミトラ崇拝とローマ帝国の密儀宗教ミトラス教は、どのような関係にあるのか。いつ、どこでどのようにミトラス教は誕生し、拡大したのか。宗教組織や儀式、神話、信者がこの宗教に求めたものに至るまで、異教時代のローマ帝国の姿とともにその全貌に迫っていく。
オリエントを射程にいれた大きなスケールで歴史を捉え、ヨーロッパ世界の深層が浮かび上がる!

【本書の内容】
はしがき――宗教的カオスの中で
序章 謎の宗教への挑戦――一歴史学者のみた夢
第1章 古代オリエント世界の信仰――密儀宗教化前夜
第2章 亡国の王族か、解放奴隷か――教祖の存在と教線の拡大
第3章 密儀と七つの位階――ギリシア神話との関係
第4章 孤独と忍従――ローマ帝国の兵士と奴隷の人生
第5章 異教の時代の終焉――キリスト教の圧力
終章 世界はミトラス教化したのか――ヨーロッパ世界の深層へ                                                                                                           

内容説明

キリスト教化する前、ローマ帝国は伝統的な神々に加えてオリエントの神々や一神教など、多彩な信仰で賑わっていた。なかでもミトラス教は、際立った勢力を誇ったことが明らかながら文字史料の乏しさゆえに、今なお謎の多い存在である。なぜ、ミトラス教は数ある信仰のなかで流行したにもかかわらず、最終的にキリスト教に敗れたのか―。最新の研究成果を踏まえ、失われた宗教の全貌に迫る。壮大なスケールで描かれる帝国の姿から照らし出されるヨーロッパ世界の深層!

目次

序章 謎の宗教への挑戦―一歴史学者のみた夢
第1章 古代オリエント世界の信仰―密儀宗教化前夜
第2章 亡国の王族か、解放奴隷か―教祖の存在と教線の拡大
第3章 密儀と七つの位階―ギリシア神話との関係
第4章 孤独と忍従―ローマ帝国の兵士と奴隷の人生
第5章 異教の時代の終焉―キリスト教の圧力
終章 世界はミトラス教化したのか―ヨーロッパ世界の深層へ

著者等紹介

井上文則[イノウエフミノリ]
1973年、京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、早稲田大学文学学術院教授。専門は西洋古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

125
辻邦生『背教者ユリアヌス』は愛読書だったので、哲学者皇帝が信奉したミトラス教には関心があった。中東からインドまで様々な教義が混淆して成立した経緯は神道と似ている。内容的には神話に基づく多神教であり、神が死後の魂を見守ると説く教義から兵士や奴隷を中心に信仰されたという。しかし男性しか入信を認めず、特に宣教もしないなど密教的な色彩の強い部分にユリアヌスは憧れたのかもしれないが、来る者拒まずで教勢を広めたキリスト教に比べ魅力に欠けたのは確かだ。変化する時代の要請に応じられなかった宗教は消滅するしかなかったのだ。2025/05/14

yuma6287

16
なんかひろまって、すぐにほろんだやつ。一時は皇帝も信徒になるほど登りつめたのの、キリスト教の普及とともに途絶えたミトラス教について研究をまとめた1冊。ミトラス教研究史から、ミトラス教成立、実体や盛衰の背景とミトラス教にまつわるあらゆる分野に対して偏りなく取り扱う。ただ資料・論文を集めるだけでなく、新旧様々な説を取り上げた上で著者なりの見解が書かれているので、ミトラス教の姿がより掴みやすい本となっている。図説も多く、理解しやすい。はたしてミトラス教とはどのようなものであったか。ぜひご照覧あれ。2025/05/16

さとうしん

15
「背教者」ユリアヌスが信仰したことでも知られるミトラス教。「はしがき」を読むとミトラス教研究の第一人者であるキュモンの学説の検討を中心にミトラス教の実像に迫るのかと思いきや、それももちろんあるのだが、ミトラス教やキリスト教も含めたローマ帝国の神々、宗教について検討した本だった。しかし考古史料も駆使しつつミトラス教が東方のミトラス神の信仰を承けつつローマで誕生したこと、主要な信者の身分、教義など、随分細かい所まで検討が可能なのだなと感心した。2025/02/17

Fumitaka

5
キリスト教以前にローマ帝国領に広まっていたという一神教的宗教ミトラス教の確認。確か自分は新紀元社の本で太陽神ミトラの名前を知ったと思うが、今でも案外確実にわかっていることは少ないらしく、その起源は東方だが、「宗教」として固定化したのはおそらくローマと思しきこと(pp. 94-99)を遺跡などの資料から再現していく。井上文則先生は『軍と兵士のローマ帝国』も書かれた人であり、ローマ軍の内部事情、アープレーユスの『黄金の驢馬』の記述からの当時のオリエント宗教の秘儀の推測なども興味深い。2025/04/22

in medio tutissimus ibis.

4
ミトラス教は、その奉じる神の起源こそオリエントにあるが、実際にはローマに発しむしろ西ローマで広まった。それは 醸し出すペルシアの風の敵対的イメージが薄れ神秘がいや増し、また争い多い後進地域故に支持層である兵士や奴隷の抱える苦悩が深かったためである。文献上はキリスト教と対比されることもあるものの、その性質は宣教的というより密儀的であり、その一時的な隆盛もローマへのキリスト教化の反動による元老院議員のパフォーマンスの面もある。歴史的意義と同じく天文学を取り入れた世界観も面白かったが、当時ではありふれていた模様2025/07/06

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