講談社現代新書<br> 現代日本人の法意識

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講談社現代新書
現代日本人の法意識

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  • サイズ 新書判/ページ数 272p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065378250
  • NDC分類 321.3
  • Cコード C0232

出版社内容情報

日本を震撼させた衝撃の名著『絶望の裁判所』から10年
元エリート判事にして法学の権威が、日本人の法意識にひそむ「闇」を暴く!


本書は、書名から明らかなとおり、日本人に根付いている「日本人特有の法意識」をテーマとする。私は、裁判官として三十三年間に約一万件の民事訴訟事件を手がけるとともに、研究・執筆をも行い、さらに、純粋な学者に転身してからの約十三年間で、以上の経験、研究等に基づいた考察を深めてきた。この書物では、そうした経験をもつ者としての、理論と実務を踏まえた視点から、過去に行われてきた研究をも一つの参考にしつつ、「現代日本人の法意識」について、独自の、かつ多面的・重層的な分析を行ってみたいと考える。

法学者・元裁判官である私が、法律のプロフェッショナルですら満足に答えられないような曖昧模糊とした「法意識」に焦点を合わせた一般向けの書物を執筆したのは、日本固有の法意識、日本人の法意識こそ、私たち日本人を悩ませる種々の法的な問題を引き起こす元凶の一つにほかならないと考えるからだ。
そればかりではない。意識されないまま日本人の心理にべったりと張り付いた日本的法意識は、日本の政治・経済等各種のシステムを長期にわたってむしばんでいる停滞と膠着にも、深く関与している可能性がある。その意味では、本書は、「法意識」という側面から、日本社会の問題、ことに「その前近代的な部分やムラ社会的な部分がはらむ問題」を照らし出す試みでもある。

この書物で、私は、日本人の法意識について、それを論じることの意味とその歴史から始まり、共同親権や同性婚等の問題を含めての婚姻や離婚に関する法意識、死刑や冤罪の問題を含めての犯罪や刑罰に関する法意識、権利や契約に関する法意識、司法・裁判・裁判官に関する法意識、制度と政治に関する法意識、以上の基盤にある精神的風土といった広範で包括的な観点から、分析や考察を行う。
それは、私たち日本人の無意識下にある「法意識」に光を当てることによって、普段は意識することのない、日本と日本人に関する種々の根深い問題の存在、またその解決の端緒が見えてくると考えるからである。また、そのような探究から導き出される解答は、停滞と混迷が長く続いているにもかかわらずその打開策が見出せないでもがき苦しんでいる現代日本社会についての、一つの処方箋ともなりうると考えるからである。

内容説明

「法の支配」より「人の支配」、「人質司法」の横行、「手続的正義」の軽視…。なぜ「法」を尊重しないのか?名著『絶望の裁判所』から10年。規律を重んじる国の「謎」を元判事にして法学の権威が鮮やかに読み解く。

目次

第1章 「現代日本人の法意識」について考えることの意味
第2章 日本法の歴史とその特質―古代から現在まで
第3章 婚姻、離婚、親権、不貞、事実婚、同性婚をめぐる法意識
第4章 犯罪と刑罰・死刑をめぐる法意識―応報的司法から修復的司法へ
第5章 冤罪をめぐる法意識、刑事裁判官・検察官のあり方
第6章 権利、所有権、契約、民事訴訟をめぐる法意識
第7章 司法、裁判、裁判官をめぐる大いなる幻想
第8章 制度と政治をめぐる法意識
第9章 法意識の基盤にある日本の精神的風土

著者等紹介

瀬木比呂志[セギヒロシ]
1954年、名古屋市生まれ。東京大学法学部卒業。1979年から裁判官。2012年明治大学教授に転身、専門は民事訴訟法・法社会学。在米研究二回。著書に、『ニッポンの裁判』(第二回城山三郎賞受賞)等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

128
日本人は法を尊重する国民性か否か、様々な事件が起こるたびに考えさせられる。死刑や同性婚などで欧米の法意識との大きな落差は以前から指摘されているが、時として自分の主義主張に合わない法は無視していいと信じているのではと思える事例もある。日本の憲法や法律は明治維新と敗戦という国体の強制的大変革に伴い、当時の政府や占領軍から下賜された面がある。歴史を通じて培ってきた常識や感覚とズレが生じ、衝突が起きるとの指摘は頷ける。しかし自分が信じる法理論は常に正しく、反対側の言い分を悪とする著者の考え方こそ一方的ではないか。2025/01/16

skunk_c

70
実務と研究の両方を経験している著者らしい考察が並ぶ。日本に住む者の歴史的な法意識と明治維新、1945年の敗戦といった「ガラガラポン」のたびに新たな法体系や価値観が導入されるが、いずれも日本自体がそれをちゃんと咀嚼できていないため、極めて据わりの悪いものになっているんだなという印象を受けた。「人質司法」「死刑制度」などについての著者の見解は、真摯に検討されるべきもので、特に前者は例えばアメリカ兵による犯罪を日本で裁く際相手方にある種の「弱み」を見せていることになる。最後に出てくる政治の劣化についても同感。2024/12/23

kawa

39
日本の司法制度の後進性を上書き。法の核にある理念の欠落を、権力者側に立った曖昧な「和の精神」や「仏教的理念」で埋めているという日本人の法意識に対する問題の指摘にもなるほど。他にも、冤罪事件が発生しやすい日本の体制。裁判官の判断は総合的な直観力でもたらされる。司法記者との癒着が酷い、等々が参考。法律には社会形成力がある。今の社会制度が行き詰まっている原因に、著者の指摘の通り法制度が理念通り回せられていないところにあるは確かにだな。行政訴訟分野も論評して欲しかったが説得力高い良書。著者作品3冊目の読了。2025/02/10

てつ

28
この著者の本を何冊か読んだのだけれど、残念なことが多く今回もそれに漏れず、といったところ。元裁判官で司法のことはよく知ってるのでしょうが、概ね上から目線。好きにはなれなかった。2024/11/29

ばんだねいっぺい

25
自分たちで獲得した法律というより、上から与えられた法律という意識があるようだ。また、法律は、論理的な思考とセットとなるべきところ、公教育にそのようなものがないのではないかと思ったり。不貞のくだりは、たいへん、面白く読んだが、筆者と相容れない意見を感じて、自分の保守思想が明らかになった読書だった。2025/05/10

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