出版社内容情報
ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説!
東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。
内容説明
近代美術のすごみが横たわる圧巻の時代小説!東京美術学校発足初期から教授を務め、帝室博物館の要職にも就いた下垣内邦雄。だが、多摩近郷の豪農の家に生まれ、兄から家を継いだその半生は凄絶なものだった。「武州世直し一揆」に遭遇した兄の愁苦。それを超えようとした狂気の旅。いったい何が、徘徊浪人を斬る旅に彼を向かわせたのか。
著者等紹介
青山文平[アオヤマブンペイ]
1948年、神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年、『白樫の樹の下で』で第18回松本清張賞を受賞しデビュー。’15年に『鬼はもとより』で第17回大藪春彦賞を、’16年に『つまをめとらば』で第154回直木賞を受賞、’22年には『底惚れ』で第17回中央公論文芸賞と第35回柴田錬三郎賞のダブル受賞を果たした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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