出版社内容情報
香港、上海、ソウル、そして東京。
分断された世界で今を直向きに生きる若者を描く純文学短編集。
2021年に刊行された単行本『オリンピックにふれる』を改題したものです。
「香港林檎」
「この香港のどこかを、もう一人の自分が歩き回っているような気がして仕方ないんだ」
ボート選手枠で入社して10年、タイムが低迷する偉良はコーチから思わぬ宣告を受ける。
「上海蜜柑」
「私たち、上海に住んでるのよ。欲しいものは欲しいって、今、世界で一番言える街に」
ケガで体操選手を諦め、臨時体育教師になった阿青。結婚目前の恋人には初めてのチャンスが訪れていた。
「ストロベリーソウル」
「がんばるって、約束したじゃないか」
ソウルのスケート場で働くクァンドンは、三回転ジャンプに挑む赤い練習着の少女に心惹かれるが……。
「東京花火」
「誰も悪くない。なのに、誰も幸せじゃないのはなぜだ?」
東京五輪が始まった。開会式を前に失踪した部下を探す白瀬は、国立競技場の前に立つ。
2021年東京オリンピックと同時進行で新聞連載された話題作。
内容説明
香港、上海、ソウル、そして東京。変貌を遂げるアジアの街で、一度挫折を味わった若者たちが、再び人生の岐路に立つ。何かが駄目になったからといって全てを諦めることはない―。輝かしくはないかもしれない将来を見つめ、踏み出す前夜の仄暗さを描く純文学短編集。単行本『オリンピックにふれる』を改題。
著者等紹介
吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年長崎県生まれ。’97年に『最後の息子』で第84回文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年には『パレード』で第15回山本周五郎賞、『パーク・ライフ』で第127回芥川賞を受賞。純文学と大衆小説の文学賞をあわせて受賞し話題となる。’07年『悪人』で第61回毎日出版文化賞、第34回大佛次郎賞を受賞。’10年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞を受賞。’19年『国宝』で第69回芸術選奨文部科学大臣賞、第14回中央公論文芸賞、’23年『ミス・サンシャイン』で第29回島清恋愛文学賞を受賞。’16年より芥川賞選考委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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