出版社内容情報
何度も作り直せばいい。器を焼くことは、心に明かりを灯すようなもの。
テレビ局の放送作家の仕事を突然辞めるはめになった30歳のジョンミンは、何ヵ月も抜け殻のようになり家に引きこもっていた。
ある日久しぶりに外に出て、歩いているうち、彼女はカフェと間違えて陶芸工房の扉を開ける。突然現れたジョンミンに、工房の主ジョヒは珈琲をふるまう。コーヒーのおいしさのわけは器にある、自分で作ってみない? というジョヒの誘いを受け、ジョンミンは陶芸教室に通い始める。
土の匂い、手を動かしてものを作る喜び、人懐こい猫、年代も悩みもさまざまな仲間たち。自分に向き合い、人生を見つけていくということ……。工房を舞台に繰り広げられる癒しと希望の物語。
手を動かすこと食べること。それが、力をくれる。
【目次】
内容説明
テレビ局の放送作家の仕事を辞め、失意の底にいたジョンミンは、ある日、カフェと間違えて入ったのをきっかけに、陶芸工房の教室に通い始めた。土の匂い、日々の食事を盛る器、年代も悩みもさまざまな仲間たち、人懐こい猫。―人生に迷うすべての人に贈る傑作小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遙
12
多くの人に手に取って欲しい。とても面白かったです。あらすじと装丁に惹かれて読んでみました。放送作家として挫折した主人公が足を踏み入れたその場所は陶芸工房。 [焼き物を焼くことは、心を焼くことと同じ。] 工房に通う人々との出会い、彼らと囲む食事風景、心を反映させるように形取られていく器達の様子が丁寧に書かれ、人生と陶芸はとても似ているなとしみじみ感じいりました。 訳もとても読みやすかったです。成長と癒しの物語。 アジア文学を読む事は少ないですが、 イルサンのパムカシ村、今作は是非映像化して欲しい。2025/07/11
だいふく
5
心無い出来事から仕事を辞め、失意のあまり引きこもり生活をしていた主人公が、ひょんなことから陶芸教室に通うこととなる。土をこね器を作り、しっかりとご飯を食べる。先生や仲間たちとの関わりから癒やされていくのだけれど、先生や仲間たちも色々と抱えていて、主人公だけでなく皆が次のステップに進んでいくことに私も癒される。「(失敗しても、いつでも)土は直すことができる」、そんな言葉にハッとした。2025/07/21
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