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出版社内容情報
わずか20歳で世を去った青年の業績が、なぜ「革命」といわれるのか。彼は人類に何を遺したのか。数学嫌いにも理解できるその真髄!
内容説明
世情騒然とする19世紀前半のフランスで、弱冠17歳、数学に出会ってわずか3年の若者が提出した論文が「革命」と呼ばれ、時代を超えて絶大な影響を及ぼし、いまなお、さまざまな場で存在感を示しつづけている。あらゆる分野で、そのような例は稀有なことだろう。いったい彼は何をしたのか?タテガキの日本語で、難解とされる理論の急所を平易に説明する!
目次
序章 計算の上を飛べ
第1章 方程式と人類
第2章 逆転の発想
第3章 ここに群あり
第4章 なぜ根を置き換えるのか
第5章 剰余類群をつくってみる
第6章 正規部分群
終章 数の深淵
著者等紹介
金重明[キムチュンミョン]
1956年東京生まれ。1997年『算学武芸帳』(朝日新聞社)で朝日新人文学賞。2006年『抗蒙の丘―三別抄耽羅戦記』(新人物往来社)で歴史文学賞、2014年『13歳の娘に語るガロアの数学』(岩波書店)で日本数学会出版賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
262
ガロアの伝記的な奴かなと思ったら、違っていて面食い若干慄きました。でもしっかりと『はじめてのガロア』でしたよ。本書は群論と言う強大な庭園の入り口に誘う事を目的にしているのかなぁと思いました。読んだ印象としてはあの霞の向こうに見える影が入り口なのかな〜って感じ。でもしょうがないのです。手を動かさずに一読しただけで理解しようなんて烏滸がましい態度ですよ。群の入門書を解いて、ここに立ち返ると良い気がしました。ガロア最期の気持ちを疑似追体験してみたい。直ぐとは言えないけど、群論も学んで行こうと心に誓いました。2025/03/31
kitten
10
図書館本。この著者の13歳の娘に語るガロアの数学を読んでいたので、こちらも読んでみた。なるほど、わからん。後半になればなるほど理解不能になった。ただね、この著者の書き方のおかげで、「理解はできないが、なんとなくすごいことはわかる」のよ。これってすごいことよね。数学に限らず、科学って天才が一気に発展させるよね。ひたすら、次の天才を待ち続けているような感じがする。特に数学は、そういう印象が強いな。2024/11/17
kenitirokikuti
8
数学史のうえでは、3次方程式を解く公式の発見と、反対に5次方程式を解く公式がないことの証明とはとても大きな達成なのだが、そこがどう革命的であったのかを理解するのはむつかしい▲以下は本書とは関係ないノート。フェミニズム運動やジェンダー論が荒れてしまう理由、有理(ラシオナル)数(自然数と四則演算結果)の世界と、無理(イラシオナル)数含む実数(real)の世界とを接続して、事務処理が混乱するからだ。性別の符号を男1に女に2としたところに、性別√2と√2.001を入れてしまったら、社会学の方がクラッシュするだろう2024/08/28
スターライト
4
20歳の若さでこの世を去った数学の天才エヴァリスト・ガロアが遺した『第一論文』をもとに、「筋金入りの数学嫌い」という担当編集者にも理解できるように書いた本。著者の数学体験を入り口に、それまでの「アルゴリズムを探究する数学」を「構造を探究する数学」に変えたガロアの業績をコンパクトに解説。最初は数学が苦手だったぼくにもわかる内容だったが、やはり数学の本を数式なしで解説するというわけにもいかず、後半はなかなか内容が頭に入ってこなくなったが、「群」「体」などの考えを駆使した彼の天才ぶりは伝わってきた。2024/09/27
あぼ33
3
久々の数学本。細かいことを気にしなければ専門知識がなくてもさらっと読める内容になっている。前半はガロアが生きた時代の歴史的背景の説明が多く、少し想像した内容とは異なった。正規部分群の説明あたりから数学的な要素が濃くなっていく。大学で専攻していた身としては、忘れてることが多いとはいえ定義づけを曖昧にすると物足りなさを感じるし、現実世界と紐づけた例えが逆にわかりづらくも感じた。不勉強な私は大学の演習で簡単な置換群の演算やガロア群の計算で四苦八苦していたが、こういう目線であらためて振り返ると面白い。2024/10/06