出版社内容情報
なぜ「歴史知識ゼロ」から歴史巨編のヒット作が生み出せたのか?
連載開始時には無名に近かった武将・仙石権兵衛に「史上最も失敗し、挽回した武将」という鮮烈なスポットライトを当て、信長幼少期から秀吉の死、家康の台頭までの戦国時代史を総覧する歴史巨編漫画、宮下英樹の『センゴク』シリーズ。大ヒットとなったこのシリーズで、歴史学における通説を打破する新説を次々と採り入れ、青年誌における「歴史漫画」ジャンルの可能性を大きく切り拓いた宮下の連載開始前夜の歴史知識は、なんと「ゼロ」だった。そんな彼が、なぜ戦国時代というテーマを描き続けることができたのか? 初めて明らかにする歴史漫画作劇の極意を通じて、歴史とともに人生を歩むための秘訣をいま語り尽くす!
<2つの対談を収録!>
株式会社Cygames代表取締役社長 渡邊耕一×宮下英樹
『戦国大名とは何か!!』
漫画家(『新九郎、奔る!』)ゆうきまさみ×宮下英樹
『歴史を描く漫画を語る!!』
*本書目次より抜粋
『センゴク』シリーズの軌跡
はじめに
第1章 仙石権兵衛、走り出す!ーーいかにして『センゴク』の連載は始まったか?
第2章 世を渡り、出世を賭す武将たちの群像ーーあらゆる場面を歴史的に描くということ
第3章 花と実ーーよく生きるということ
特別対談1 戦国大名とは何か!? 株式会社Cygames 代表取締役社長 渡邊耕一x宮下英樹
特別対談2 歴史を描く漫画を語る!! 『新九郎、奔る!』ゆうきまさみx宮下英樹
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
62
「センゴク」シリーズは全巻読了済みで、たしか清須会議辺りからリアルタイムで読んでいた記憶が。通説と異なる解釈や解説が多くあったので著者は戦国時代に明るいのかと思っていたが連載当初はあまり詳しくなかった事に驚き。連載に至る流れや漫画の書き方などが書かれており、シリーズ読者には必読の一冊。2025/01/02
akihiko810/アカウント移行中
23
戦国歴史漫画「センゴク」シリーズ著者による、歴史漫画制作の裏側。印象度B+ 「センゴク」はまったくの未読なのだが。当時の「ヤングマガジン」編集部はヤンキー漫画の頂点であり、想定読者が「刑務所に入所して人生を反省しているヤンキー」だとは笑うしかない。 連載準備~開始初期までのマンガ立ち上げ話は滅法面白かった。長期連載になるにしたがって、主人公が仙石権兵衛から「戦国時代の武将たち」そのものに変遷すると、著者の「歴史観」みたいなのが述べられていくのだが、私は「センゴク」を未読なので今一つはまれず。2025/02/14
みのくま
9
「センゴク」シリーズを愛読してきたぼくにとって本書は大変面白く、また示唆に富んだ内容だった。「センゴク」はどんどん物語の性格が変わっていって、最後は歴史上の人物がぼくでも理解できるような解像度で描かれる。統治者の苦悩や、歴史上の事件が歴史資料とは違う位相で説得力を持っていく。その創造性の一端が本書では書かれており、歴史ファンなら必読の書であろう。ともすれば蘊蓄の羅列になりがちな歴史ファンに、情報ではない何かを提示するパワーが本書にはある。ゆうきまさみとの対談も面白く、「運」を描くというのはとても興味深い。2024/08/09
Go Extreme
5
仙石権兵衛、走り出す!; 連載準備: 先行事例をリサーチ コンセプト決め 主人公設定 テーマ設定 第1話のネームづくり 作劇文法の設定 キャラクターデザイン 連載開始=戦いの始まえり 生きる=生き延びるが序盤のテーマにあり 世を渡り、出世を賭す武将たちの群像: 自然主義⇔ロマン主義 歴史学・スタンド使いがrゴロゴロ 合戦上の味方: 現地に降り立ち地形の意味を考える 戦国時代人の塵感覚 城のせめては場内の構造を知らない 花と実ーよく生きるということ: 秀吉という天才の衰えと迷い 歴史は無常→ゆえに花である2024/09/05
はすみ
4
「センゴク」は読んだことがないが、本書は楽しかった。「新九郎、奔る!」は今後読んでみたいと思う。2024/12/10
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- 和書
- 光琳・乾山の真髄をよむ