講談社現代新書<br> 資本主義の宿命―経済学は格差とどう向き合ってきたか

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講談社現代新書
資本主義の宿命―経済学は格差とどう向き合ってきたか

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065359068
  • NDC分類 332.06
  • Cコード C0233

出版社内容情報

社長と社員の給与格差、どれくらいならOKですか?

日本では、資産5億円以上の超富裕層は9万世帯。単身世帯の34・5%は資産ゼローー。
富裕者をより富ませ、貧困者をより貧しくさせる今日の資本主義。
アダム・スミスやマルクス、ケインズ、そしてピケティは、「富と貧困」の問題をいかに論じてきたか。
経済学の歴史に学びながら、経済成長か格差是正か、資本主義のジレンマについて考え、今後の進むべき道を提示する。

●先進国のなかでも所得格差の大きい日本
●日本の相対的貧困率は15.4%
●なぜ若者と高齢者の貧困率が高いのか
●最低賃金以下で働く人の割合は1.8%
●日本の生活保護の捕捉率は20%前後
●自由な経済活動がもたらす勝者と敗者――ヒューム
●アダム・スミスは経済学者か道徳哲学者か
●空想的社会主義者たちの格差是正策
●マルクスへの橋渡しをしたJ・S・ミル
●失業者の発生を明らかにしたケインズ
●福祉国家の先駆けはビスマルクのプロシャ
●ウェッブ夫妻のナショナル・ミニマム論
●税収を財源とするデンマークの福祉制度
●高所得者の動向を分析したピケティの衝撃
●逆進性が強いアメリカの所得税制
●所得格差の大きい共産主義国・中国
●日本の年収1000万円以上は5%
●アメリカ超富裕者たちの脱税率
●日本の所得税の最高税率はどう変わったか
●家族の変化と福祉国家への道

内容説明

富裕者をより富ませ、貧困者をより貧しくさせる今日の資本主義。アダム・スミスやケインズ、ピケティは、「富と貧困」の問題をいかに論じてきたか。経済学の歴史に学びながら、経済成長か格差是正か、資本主義のジレンマについて考え、今後の進むべき道を提示する。

目次

第1章 格差の現実
第2章 資本主義社会へ
第3章 資本主義の矛盾に向き合う経済学
第4章 福祉国家と格差社会
第5章 ピケティの登場
第6章 ピケティ以降の格差論
第7章 経済成長か、公平性か
第8章 日本は格差を是正できるのか

著者等紹介

橘木俊詔[タチバナキトシアキ]
1943年、兵庫県生まれ。小樽商科大学、大阪大学大学院を経て、ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。京都大学教授、同志社大学教授、京都女子大学客員教授を歴任。現在、京都大学名誉教授。仏米英独で研究職・教育職を経験。元日本経済学会会長。専門は経済学、特に労働経済学。主な著書に、『日本の経済格差』(エコノミスト賞受賞)『家計からみる日本経済』(石橋湛山賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

129
民主主義が進み貧困層も政治に参加すると、貧富の格差是正を考える学問として経済学が発展した。欧州では福祉国家化が一応の成果を上げたが、強制的な平等実現を唱えたマルクス経済学はソ連崩壊で失敗し、新自由主義の台頭で格差は一層顕著となった。格差問題と対峙してきた経済学の歴史を俯瞰し、成長と公平性が両立する政策を提案する。最低賃金上昇や高齢者雇用拡大など一部は実現しているが、強力な既得権益の突破なくして根本的な改革は無理な点に言及していない。自由が前提の資本主義で強い権力の問題を考えねばならない時期が近付いている。2024/08/04

trazom

128
格差の経済学の第一人者である橘木先生(先生のことを「日本のピケティ」と言う人がいるが、何と無礼。ピケティ博士を「フランスの橘木」と呼べ!)。格差に対応した経済学説の歴史や、各国の政策の違いがよくわかる。比較的平等社会と思っていた日本だが、相対的貧困率がG7の中で最悪(アメリカより悪い!)にはショック。福祉の提供は家族・親族という歴史的背景が、政治の対応を遅らせたのだろうか。格差問題は「経済成長(効率性)か公平性(平等性)か」というトレードオフが全てだという。その双方を失っている日本の惨状が浮き彫りになる。2024/06/26

壱萬参仟縁

56
貧困の経済学―ブースとラウントリー。ミュルダールはスウェーデン人で、経済政策や社会政策の運営に政府の役割を重視した(94頁)。ケインズと類似。ピケティはアメリカの所得税率では累進度の弱いことを批判し、強化を求めるが、クルーグマンは100%賛意を表明(126頁)。野村総研(2021)の階層別金融資産額と世帯数では、超富裕層は5億円以上105兆円(9.0万世帯、156頁)。橘木先生は、貧困層下位10%、下位1%の人を無視しているのが気になるという。2024/08/08

よっち

31
日本では資産5億円以上の超富裕層は9万世帯。単身世帯の34・5%は資産ゼロ。経済学の歴史に学びながら、経済成長か格差是正か、資本主義のジレンマや今後の進むべき道を考える1冊。富裕者をより富ませ、貧困者をより貧しくさせる今日の資本主義。アダム・スミスやマルクス、ケインズ、そしてピケティは「富と貧困」の問題をいかに論じてきたか。数値をもとに今の日本の貧困を考えながら、転機となった経済理論や歴史的な経緯を踏まえつつ、ピケティによる高所得者の動向分析や各国の動向を紹介して、ざっと概況を学べる1冊になっていました。2024/06/04

Satoshi

15
2000年代初頭から格差を研究していた著者による経済史の解説本。マルクスからリバタリアニズムまで総ざらいしている。印象に残ったことは巷に流布されている累進課税は資本家のモチベーションを低下させるとか福祉国家は競争力を落とすという論説は明確な根拠のないものであり、1970年代の日本の累進課税率が最も公平な課税であったという研究結果がある。レーガンとサッチャーの路線をグローバルスタンダードとしたことに誤りがあるのではと思ってしまった。2024/12/29

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