ブルーバックス<br> 宇宙はいかに始まったのか―ナノヘルツ重力波と宇宙誕生の物理学

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宇宙はいかに始まったのか―ナノヘルツ重力波と宇宙誕生の物理学

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  • サイズ 新書判/ページ数 248p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065359044
  • NDC分類 441.1
  • Cコード C0244

出版社内容情報

謎の「ナノヘルツ重力波」は、宇宙誕生の痕跡なのか!?

2023年、世界に衝撃を与えた国際研究チーム「ナノグラフ」の報告。
それはある重力波の存在を捉えたというものでした。
発見された重力波は、ナノヘルツ(ナノ=10のマイナス9乗)、つまり数年もの非常に長い周期の、超長波長の重力波でした。

この観測プロジェクトで使われた手法は「パルサー・タイミング法」というものです。
電波星ともいわれる「パルサー」から送られてくる電波を観測することで、宇宙の空間の歪みを検出するという手法が、この「パルサー・タイミング法」です。

では、このナノヘルツ(超長波長の)重力波はどこで生まれたのか?

・宇宙のはじまり、ビッグバンより前に起きたとされる「インフレーション」によって空間が引き延ばされたさいの痕跡「原始背景重力波」。

・銀河の中心「活動銀河核」に存在する太陽質量の数万倍といわれる「超巨大なブラックホール」が合体した。
といった候補が考えられています。

これまで謎とされていた「宇宙のはじまりの姿」。
その痕跡を見ることが人類にとって現実のものとなりはじめました。

本書では、その背景にある宇宙論を、重力とは何か? アインシュタイン方程式とは? そして宇宙のはじまりはどのように考えられてるのか? 
ひとつずつ段階を踏みながら解説し、「ナノグラフ」によって行われた「パルサー」を用いた宇宙空間の精密観測「パルサータイミング法」と今後の観測計画。そして15年以上にもわたる「パルサー・タイミング・アレイ」による観測の結果から、この謎の超長波長の重力波「ナノヘルツ重力波」の正体に迫っていきます。

宇宙の誕生に迫る宇宙論と観測の最前線をていねいに解説します!

序章 ナノヘルツ重力波の衝撃
 謎の重力波とパルサー・タイミング・アレイ
1章 重力とはなにか……空間そして時間の歪み 
 コラムメジャーリーグ投手の放つ重力波 
2章 重力波望遠鏡……宇宙を見る新しい目 
3章 連星パルサーの謎……電波天文学と中性子星
 コラム 重力波に縦波成分は存在するのか? 
4章 宇宙誕生の痕跡とは……インフレーション理論と原始背景重力波
5章 巨大ブラックホールの謎……宇宙の歴史を探る
 コラム 「特異点定理」の数理
6章 超波長重力波を捉えるには……パルサータイミング法と宇宙の謎
7章 もう一つの重力波観測……位置天文学で見える宇宙
8章 宇宙のはじまりを見る……超長波重力波の正体と未来の宇宙観測

内容説明

世界に衝撃を与えた国際研究チーム「ナノグラブ」が捉えた謎の「ナノヘルツ重力波」の存在。ナノヘルツ、つまり数年もの非常に長い周期の重力波は、宇宙の最初期に起きたとされる「インフレーション」によって時空が引き延ばされた痕跡「原始背景重力波」なのか!?複数の「パルサー」からの電波を用い、宇宙空間の歪みを検出する「パルサータイミング法」や急発展する最新の観測手段とともに進化する最新の宇宙論をあますところなく紹介する。

目次

序章 ナノヘルツ重力波の衝撃―謎の重力波とパルサー・タイミング・アレイ
1章 重力とはなにか―空間そして時間の歪み
2章 重力波望遠鏡―宇宙を見る新しい目
3章 連星パルサーの謎―電波天文学と中性子星
4章 宇宙誕生の痕跡とは―インフレーション理論と原始背景重力波
5章 巨大ブラックホールの謎―宇宙の歴史を探る
6章 ナノヘルツ重力波を捉える―パルサータイミング法と宇宙の謎
7章 もう一つの重力波観測―位置天文学で見える宇宙
8章 宇宙のはじまりを見る―ナノヘルツ重力波の正体と未来の宇宙観測

著者等紹介

浅田秀樹[アサダヒデキ]
1968年、京都府生まれ。弘前大学理工学研究科宇宙物理学研究センターセンター長・教授。京都大学理学部卒業、大阪大学大学院理学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。京都大学基礎物理学研究所ポスドク研究員、弘前大学理工学部助手、准教授を経て現職。2003年、パリ天体物理学研究所にて主に重力波に関する在外研究(1年間)。専門分野は一般相対性理論、重力理論、理論宇宙物理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HaruNuevo

31
科学とは浪漫なのだと文系脳の自分は益体の無い感想を抱いてしまう。 ビッグバンの直前に宇宙の始まりとして起こったのではと考えられているインフレーション、その証拠となるかもしれないナノヘルツ重力波。宇宙の開闢の理論を紹介しつつ、その証拠を検出するための超先端技術、見込まれる(期待される)成果を紹介していく。 自分が生きてる間にどれだけ新しいことがわかるんだろう。2024/09/29

tom

15
標題についての議論の本なのかと思ったのだけど、書いているのは「ナノヘルツ重力波」をどうやって検出するのかについてだった。そのための説明は多々あるものの、この重力波を見出したら何が分かるのかについての議論は、私の読んだ限りでは見当たらない感じ(読み落としたかもしれないけど)。ここが分からないから、期待外れで終わる。それにしても、現代物理学というもの、ほんとうに巨額の金を投資している。夢とロマンは大きいし、今後どんな展開になるのかと期待はいっぱいだけど、それにしても巨額だなと・・・。2024/07/11

akiakki

5
パルサータイミング方や位置天文学といった最新の重力波検出の理論や技術が紹介されており、同ブルーバックスの「重力波とはなにか」で読んだ知識がブラッシュアップされました。LIGOの干渉計を使った方法が検出の唯一の方法だと思っていたので、一度「重力波が存在する」ことが観測できると新たな観測理論が加速されるのかも。2024/07/08

女神の巡礼者

3
ナノヘルツ重力波って何?という好奇心を抑えられずに読みました。内容は、2023年に謎の重力波、ナノヘルツ重力波が存在する証拠が見つかったというニュースに始まって、それが宇宙の始まりのインフレーションの証拠かもしれないという解説が続きます。といっても、その分野の研究はスタートしたばかりで、今のところ何かを断定するに至ってはいないようですが、その重力波検出のためにパルサーを利用するとか関連情報も興味深かったです。そして個人的には、まだインフレーション=ビッグバン宇宙論は未完成なのかなという感想でした。2024/09/26

kazhc57

1
始まったばかりの重力波天文学についての入門書です。パルサー・タイミング・アレイについては初めて知りました。ナノヘルツ重力波、ヘルツ帯域重力波、デシヘルツ重力波など周波数によって測定方法がまるきり違うのに驚きました。電波望遠鏡を使ったり、専用の宇宙望遠鏡を打ち上げたり、おなじみLIGOを使ったり。しかもそうやって測定した重力波が何を表しているのかすらまだよく分かってないというんですからすごいですね。超大質量ブラックホールの合体なのか、インフレーションの背景重力波なのか、これからの研究だそうです。2024/07/29

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