出版社内容情報
藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う1人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき――。
内容説明
藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書室で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。時を越えてあなたに贈る、すこし不思議な物語。
著者等紹介
辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年2月29日生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。新時代の潮流に突如現れた、エンターテイメント界の期待の新人として注目を集める。『ツナグ』(新潮社)で第32回吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』(文藝春秋)で第147回直木三十五賞を受賞、『かがみの孤城』(ポプラ社)で第15回本屋大賞第1位となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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paf ❤︎
20
ファンをトリコにする愛蔵版とのことで¥4200? 高っ!! 文庫で出した後にコチラを限定出版。装丁画も全く変えて、小口にはぐるりとカラーでクジラや月を印刷。透明な栞を付け、中は近視&ローガンズを排除する驚きの全編ブルーの印字。もう読み辛いったらありゃしませんでした。でもね、感想はもう大勢が書かれている通り、おもしろかったよ·····。こんな読みにくい不親切な本だって、ファンなら手元に置きたいんだろうな。いや、さすが辻村さんだなと褒めています。2025/03/24
はるき
11
凍てつく寒波を溶かす陽だまりのように、時間が癒やす何かがある。昔の自分に手渡したくなる良書。2024/10/21
凪
4
やっぱり良かった🥲 なんとも言えない正体不明の恐怖感と青春の爽やかさが同居してるような不思議な作品✨ 愛蔵版なので手に持つ度に幸せな気持ちになれました😊2025/01/26
深帆
3
初めて読んだのは中学2年生だったと思う。 そのとき辻村先生の『冷たい校舎の時は止まる』を勧めてくれた友達がいなかったら、わたしは学生の時に辻村先生の作品に触れられなかったと思うから本当に感謝してる。あの多感で、実は自分なんて大したことない存在なんだって気づいてしまう時期に、辻村深月がわたしの心を代弁してくれた。あの頃のわたしは随分救われた。 改めて読んだ感想なんですが、これが自分のバイブルだなって思い出しました。今読んでも理帆子のこと大好き。少し不在な理帆子が、すごく強いになったのが何よりも嬉しい。2024/07/15
Nabe
3
本当に本当に大好きな物語。人を馬鹿にしながら、でも繋がりたい。誰とでものらりくらりうまくやって、でも自分の居場所という実感はない。そんなモヤモヤを抱えてながら、押し寄せる現実は容赦がない。これは地に足つけて生きていくために、大切なものを見つめ直す物語だ。今持っているものも、過去に確かに受け取った愛も、光に照らされて、大切さが身に沁みてわかる。カッコつけずに大切なものをきちんと掴んでいこう。2024/06/26